2市1町のデマンドバスを
集中配車センターでさばく

 岐阜県可児市は愛知との県境に接し、名古屋通勤圏に位置するとともに、市内および近隣に働き口も多い。この可児市と、木曽川を挟んで北に隣接する美濃加茂市、東に接する御嵩町の2市1町が、それぞれデマンドバスを運行している。それらをすべて請け負っているのが新太田タクシーグループだ。

 可児市の「電話で予約バス」は7路線あり、中心市街から郊外に向かうコミュニティバスを代替したもの。他に美濃加茂市に1路線、御嵩町に2路線があり、合計10路線の配車を1社でまかなう。

 いずれもバスという名前がついているが、タクシー車両で運行する。利用には電話予約が必要で、「朝8時半の便で大脇公民館から可児市役所まで」と申し込むと、配車室のオペレーターが「大脇公民館には35分に着きますので、ちょっと早めに待っていてくださいね」と応答。始発の30分前まで予約を受けつけ、利用者のいる停留所だけに止まって相乗りをさせ、行き先の停留所で順々に降ろしていく。

 可児市では導入にあたり、料金をバスの200円から300円に増額。ただし停留所は1割ほど増やし、便数も8時~16時まで毎時1本とむしろ多くして利便性を高めた。予約者ゼロの便は運行せず、乗降のある停留所だけをショートカットで結ぶので、「1時間に1本」の利便性と、無駄な走行距離の削減を両立できている。

 コミュニティバスの路線を受け継いでいるので、各路線とも中心市街からの下りが毎時00分発、郊外からの上りが30分発で、うまく行けば1台で下りと上りを折り返せる。

 おかげで運行経費を6割削減し、輸送人員は1.8倍に増やすことができた。ただしそれでも赤字だという。