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金融市場異論百出

日本のインフレ期待の低さ映す
「タンス預金」50兆円の可能性

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2015年1月14日
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 10年物の日本国債の利回りが0.2%台に低下した。財務省が市場で発行する国債のほとんどを日本銀行が買い上げているため、需給関係から市場で国債が品薄になっている。

 原油価格の大幅下落によるインフレ率低下観測や国際金融不安も、国債の利回り低下に拍車をかけている。ここまで下がると、金融機関の収益には深刻な影響が出てくる恐れがある。

 昨年暮れに、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債をA1に格下げしたことは、本来は国債の金利上昇(価格下落)要因だ。金融規制が世界的に厳しくなっているため「日本国債を買いにくくなった」という話が海外からよく聞かれる。今は持ちこたえているが、もし英中央銀行であるイングランド銀行のPRA(健全性規制機構)が、日本国債のクレジット・クオリティ・ステップを「リスクフリーの流動性資産」と見なせなくなったら影響は大きい。日本国債を事実上扱えなくなる金融機関が欧州で増加してしまうからだ。

 しかし、冒頭で述べたように、日銀の圧倒的な国債買い入れオペが主因となって、そういった懸念は国債価格に全く反映されない状況が続いている。

 ところで、日本における2014年末の現金通貨(紙幣+コイン)の市中残高を見ると、これほど日銀が大胆な緩和政策を行っていながらも、国民の中には長期のインフレ期待がまだ明確には上昇していないことが分かる。

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