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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

飲み会を断り続けて味方が増える人、減る人の違い

内容と効率で生き残るコミュニケーションのススメ

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第17回】 2015年1月21日
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不機嫌な職場を変える処方箋?
飲み会はアリかナシか、続く議論

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 組織を蝕む「心のダークサイド」について取材するようになったきっかけは、共著『不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか』の執筆からだった。

 当時、心理学の基礎研究ばかりやっていて、応用研究に興味を持っていなかった私に、ビジネスコンサルタントの共著者らが意見を聞きにきてくれたのがきっかけだ。それを機に、自分の研究が日本の企業組織の分析に役立つことを知り、以来、基礎研究を軸にしながらも、現場の話を聞く姿勢も持つようになった。

 その『不機嫌な職場』で、筆者らは職場でのコミュニケーション不全を指摘した。同時に、現在のライフスタイルでは、就業時間外に社員たちがリラックスしてコミュニケーションをとれる場を持ちにくいことも述べ、いくつかの企業が採用しているコミュニケーション促進のための工夫を紹介した。

 ありがたいことに、2008年の発売当初から大きな反響をいただき、現在まで版を重ねることができている。まだお読みいただけていることに嬉しさを感じると共に、問題の根深さもまた痛感している。

 不機嫌な職場では、社内運動会やアフター5の飲み会には(少なくとも昭和時代までは)、社員同士、上司・部下間のインフォーマルな情報交換を促進し、仕事を円滑に運ぶための「潤滑油」としての役割があったことを指摘したが、その部分について同意するコメントや意見を、多数いただくことができた。

 だがそれ以降、現在まで、ネット掲示板などでは定期的に「飲み会の是非」ついての議論が起こっている。あるときは、「飲み会に部下を誘ったら、『その分残業扱いになるんですか』と返してきた」という「上司」からの書き込み、またあるときは、「自腹切って飲み会いって、上司に囲まれて説教食らって鬱、ってどんな罰ゲームよ?」という「部下」からの書き込みなど、賛否両論が飛び交っている。

 不機嫌な職場の著者の1人としては、「飲み会」には功罪両方ともあると思っている。本の中で指摘した「インフォーマルコミュニケーション促進剤」としての飲み会は、昭和時代の話だ。アルハラ、セクハラ、パワハラの温床にもなりがちな飲み会を、現在では手放しに推奨することはできない。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

「ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹」

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