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ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

シニア、バブル、ゆとり同士で罵り合っていないか?
米国で痛感した異文化間コミュ力“文化的知性”の重み

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第14回】 2014年12月3日
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日本人なのに日本人をこき下ろす
女性運動家のプロパガンダの違和感

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 最近、グローバル人材の開発、グローバルコミュニケーションの技術といった話題がよく聞かれる。

 先日、日本であるビジネスコンサルティング会社のセミナーに参加させていただいたが、いかにして多様性のある人材をマネジメントするかという主題の中で、グローバル人材の重要性が議論されていた。

 筆者も対談形式の発表をさせていただいたのだが、その発表準備や打ち合わせの中で気づいたことがあった。グローバルコミュニケーションの本質とは何かという問題だ。それに気づいたのは、筆者がまだアメリカにいた頃の出来事を思い出したからだ。

 当時筆者は、ロサンゼルスのある大学の大学院生として、博士号取得を目指して勉強していた。留学生に限らず、米国の大学院生は「貧乏」と相場が決まっていて、筆者もお金のかかる旅行や日本への帰省などめったにできず、大学と家の往復だけの毎日だった。

 筆者のいた大学はマンモス校だったので、筆者以外にも日本人の留学生はたくさんいた。だが筆者の専攻にはあまり日本人が多くなく、友人たちも大抵アメリカ人か欧州からの留学生だった。

 それでも、日本人の多いロサンゼルスに住んでいると、日本人と知り合いになる機会はそこそこ訪れる。たまたま筆者の学部を訪問してきた、学外の日本人女性研究者が筆者を見つけ、声をかけてきたことがあった。

 当時で30歳くらいのその女性は、もう10年くらいアメリカ暮らしをしていて、社会学専攻のポストドクトラル研究生(博士号取得後の「研究員」)だった。彼女の専門は、フェミニズムを含む社会活動だった。学者というよりも運動家に近く、彼女は私に「米国大手企業が、東南アジアの子どもたちを労働搾取している」ということを訴えたビラを渡してきた。筆者の所属学部の学生たちに訴えて、この運動を支持してほしい、と要請してきた。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹

この連載の趣旨は、ビジネスマンのあなたが陥っている「ブラック」な状況から抜け出すための「心」を獲得するために、必要な知識と考え方を紹介することにある。社員を疲弊させる企業が台頭する日本社会では、「勝てない組織」が増えていく。実はその背景には、マクロ面から見た場合の制度的な理由がある一方、日本人の持つ国民性や心理もまた、重要な要因として存在する。そうした深いリサーチが、これまで企業社会の中でなされてきただろうか。本連載では、毎回世間で流行っているモノ、コト、現象、ニュースなどを題材として取り上げ、筆者が研究する「ニューロビジネス」的な思考をベースに、主に心理学や脳科学の視点から、その課題を論じていく。あなたは組織の「黒い心理学」を、解き明かすことができるか。

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