ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

管理職も若者も、日本の職場は“総コミュ障”?
暗黙知を伝達できる「真のコミュ力」を取り戻せ

――処方箋⑬職人技の継承には「言語化」と「聞く力」が必要

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第13回】 2012年11月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

部下とコミュニケーションがとれない
「コミュ力」の不足に戸惑う管理職たち

  先日、ある組織の管理職研修をお手伝いさせていただいた。

 その中で、30人ほどの参加者を5人ずつ、6つのグループに分け、「あなたの組織を理想的なものにするためには何が必要か?」という問いについてグループごとに議論してもらった。

 そのとき、6グループ中5グループで挙がった項目が、

 「コミュニケーションをとれる」

 「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)をしっかりやれる」

 というものだった。聞くと部署内でのコミュニケーションがほとんどないケースもあり、管理職の立場からすると、特に若い世代とのコミュニケーション不足を多々感じるということだ。

 今、企業の採用面接でも最も重視されるポイントの1つがコミュニケーション力、いわゆる「コミュ力」だ。コミュ力とはその名の通り、他者とコミュニケーションできる能力を指すが、その正確な定義は明らかではない。

 コミュ力という言葉が頻繁に使われるのは、主に就職活動のときだ。「コミュニケーション能力のある人材を企業は求めている」ということは、もはや常識のように語られる。

 しかし、しばしば企業の求めるコミュ力とは「御しやすい、従順な人材」や「第一印象のよい人物」を指す場合が多い。求める人物像を明確にできない企業の言い訳として、コミュ力という言葉を使っているだけだ、という意見もある。

 冒頭の例で出てきたコミュニケーション能力は、ごく基本的なものだ。ほう・れん・そうの大切さは新米社会人が上司と行なう最も基礎的なコミュニケーションであり、最も大切なものである。それができてないと感じる管理職が多いとなると、やはり基本的なコミュニケ―ションができない若い社員が多いと判断せざるを得ない。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

⇒バックナンバー一覧