住宅は賃貸か、購入か
「75%が購入派」をどう見る?

 住宅は、賃貸で住むのがいいのか、購入するのがいいのか?

 雑誌などで繰り返し取り上げられる、いわば「永遠のテーマ」の1つだ。先日、『日本経済新聞』(1月19日朝刊)に全国の20代~60代の男女1000人を対象としたインターネットのアンケート結果(楽天リサーチが実施)が載った。

「家は買うか借りるかどちらがよい?」という質問に対する答えは、回答者のほぼ4分の3の74.7%が「買う方がよい」で、「借りる方がよい」という人は25.3%だった。数的には「購入派」が圧倒的に優勢だ。

 筆者は、このテーマに関して、以下の原則で判断する「中立派」のつもりなのだが、世間には「購入派」が多いので、雑誌の記事などでは相対的に「賃貸派」に分類されることが多い。

 当「ダイヤモンド・オンライン」の読者は、経済的・金融的なリテラシーの高い読者が多いので説明は不要かもしれないが、購入か賃貸かの判断は、投資として考えた場合に、住宅価格が十分安ければ買うのがいいし、逆に高い場合は賃貸で住む方がいいというのが基本原則だ。

 二、三補足すると、まず自宅として住むか否かは、税金の違いや自分のことの方が、他人のことよりも将来の見通しが利きやすいかもしれないといった違いはあっても、原則を左右するものではない。自宅の購入は、「自分が店子の不動産物件への投資」に他ならない。

 自分の場合であっても、ビジネスパーソンなら転勤もあれば、転職の可能性もあるし、子どもの学校など家族の事情で転居したくなる場合があり得る。普通は自分で住むからといって、「空室リスク、ゼロ」ではない。

 また、住宅ローンを使っての住宅購入の損得は、「現金での購入の損得+ローンの損得」(借入金利と市中金利の差から生じる)として考えるべきであり、基本的に金融機関の儲けの分だけ住宅購入者の損になる。