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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

機内食で感じた、日本企業のサービス改善への真摯な努力

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第241回】 2015年1月22日
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 新年早々、事務所に全日空の広報部の方がご挨拶に見えた。席についてから、ファイルを開き、何枚かの写真と書類を取り出しながら言った。

 「何年か前に提起された問題に、われわれはようやく答えを出しました」と。

 最初、何が何だかわけがわからなかったが、渡された写真と書類に目を通すと、8年前のことを思い出した。

 2007年、私はメディアにキャセイパシフィック航空の機内食が和食、洋食、中華の3種類あることを取り上げた。その機内食はより多くの選択肢を提供しただけでなく、みな有名なレストランが特別に作ったメニューに基づいて用意されたものなので、国際的な航空会社のグローバル意識や視野をも見せつけたものだった。

 機内食は和食と洋食の2種類だけの日本航空と全日空に対し、私は不満を感じた。そこで、次のような提案をした。

 「他の路線はさておき、日中間を結ぶ空路なので、中国人乗客も他の路線より多く、中華料理が好きな日本人も多いだろう。こうした乗客のニーズを満たすためにも、中華の機内食があってもいいのでは、と思っている」

 そして、日本航空と全日空のどちらかが先にキャセイ航空に学び、機内食に中華を取り入れたら、と訴えかけたのだ。

 思いもかけずに、この私の8年前の意見が、今年から日本と中国大陸や台湾、シンガポール、香港を結ぶ航路で実現することになった。さらに思いもよらなかったことに、全日空が8年前の私の意見を覚えており、新年の挨拶として私にその吉報を伝えにきてくれたのだ。その対応に、一乗客として大きな感動を覚えた。

香港の空港ラウンジで体験した
サービスの充実ぶり

 実はこのような感動はこれまで何回も体験したことがある。

 たとえば、8年前、空港の航空会社が運営するラウンジの食事についても、改善を求めたことがある。

 普通、ラウンジには、パンのほかに、サンドイッチ、稲荷寿司、おにぎりなどがよく用意されている。不満はないが、やはりメニューに変化を求めるのが人の常である。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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