ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

先進国にとって唯一の競争力要因はテクノロジスト

上田惇生
【第47回】 2008年3月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
ネクスト・ソサエティ
ダイヤモンド社刊
2200円(税別)

 「きわめて多くの知識労働者が知識労働と肉体労働の両方を行う。そのような人たちをテクノロジストと呼ぶ。テクノロジストこそ、先進国にとって唯一の競争力要因である」(『明日を支配するもの』)

 知識に裏付けられた技能を使いこなす者が無数に必要とされるようになった。それは技能者というよりも、「テクノロジスト」である。ドラッカーは、若者のなかでも最も有能な者、知的な資質に最も恵まれた者、最も聡明な者にこそ、テクノロジストとしての能力を持ってほしいという。

 先進国の一員であり続けたいのならば、ものづくりから離れるなど、もってのほかである。純粋の知識労働者を持つだけでは、最先端を進むことは不可能であるからだ。

 物理学、生化学、高等数学の知識について国境はない。たとえばインドは、その貧しさにもかかわらず、質量ともに、世界最高水準の医師とコンピュータプログラマーを擁する。他方で知識の裏付けはないが、低賃金でも働く肉体労働者は途上国に豊富にいる。 

 じつは、今日のところ、テクノロジストによる競争力優位を実現しているのは米国だけだという。

 「テクノロジストについて体系的で組織だった教育が行われているのはごくわずかの国でしかない。したがって今後数十年にわたり、あらゆる先進国と新興国においてこのテクノロジストのための教育機関が急速に増えていく」(『ネクスト・ソサエティ』)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

⇒バックナンバー一覧