仕事を頑張るために必要不可欠と言ってもいい存在――ライバル。ライバル心を持って周囲と切磋琢磨することが、職場でとても重視された時代がありました。ところが、ここ最近、誰かと競争するよりもオンリーワンであることが大事、だからライバル心なんて不要と考える人が増えています。でも、本当にそれでいいのでしょうか?

 また、ライバル心を持たないつもりでいたとしても、何かをきっかけに「火がついて」ライバル視してしまうことはないのでしょうか?しかも、その火がついてしまったとき、すでにライバルに「大きな差」をつけられていたらどうしますか?

 今回は、仕事上ではどう“ライバル心”を持つのが一番よいのか、今回は考えてみましょう。

スポーツ界を盛り上げてきた
ライバルたち

 ライバルとは、自分と同等もしくはそれ以上の力を持ち、競い合いながら互いを高め合うことのできる相手のこと。単純な敵対関係とは異なり、その奥底には信頼や尊敬など相手を認める気持ちがあるのが特徴です。このライバルに対して抱くのが「ライバル心」です。

 このライバルの存在があると、あらゆる場面で大きな注目を浴びることになります。古い話であれば、プロ野球界の長嶋茂雄選手(巨人)と村山実投手(阪神)は、宿命のライバルとしてプロ野球を盛り上げました。「あいつには負けない」とストレートに感情をむき出しにする様子にファンは注目していたのです。それ以後も、王貞治選手(巨人)と江夏豊投手(阪神)、掛布雅之選手(阪神)と江川卓投手(巨人)のライバルの対決はプロ野球界を盛り上げてきました。

 最近のスポーツ界で注目のライバルと言えば、野球よりもサッカーでしょう。しかも、日本ではなく欧州サッカーチームに所属するメッシとC・ロナウドに注目が集まっているのではないでしょうか?FIFAバロンドール(世界年間最優秀選手賞)も、ここ数年はこの2人が独占している状態でした。ゆえに双方のコメントから「負けない」という強い意識が感じ取れ、2014年にC・ロナウドが受賞した時にみせた涙はライバルとの対決に勝利した喜びも背景にはあったに違いありません。やはり、何時の時代もスポーツ界はライバル対決が存在して、ライバル心がお互いのプレイ向上に大きく影響してきました。

 では、職場でもライバル対決はあるのでしょうか?