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石川和男の霞が関政策総研

「科学的判断」を避ける原子力規制委・規制庁
『悪魔の証明』をいつまで求め続けるのか?

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第38回】 2015年1月26日
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結論ありきの
ピア・レビュー会合

原子力規制委員会とその事務局である原子力規制庁は、原子力発電所の敷地内に“活断層”が絶対ないことの証明――、いわば『悪魔の証明』を、日本原子力発電敦賀原発2号機、福井県敦賀市)に対して求め続けている。

 規制委・規制庁は、これと同じことを、東北電力東通原発;青森県東通村)にも求めている。これは、あまりにも「非科学的」だと言わざるを得ない。

 敦賀原発2号機は、規制委・規制庁による「正式審査」の前段階の“プレ審査”で止まっている。これに関する経緯や現況については、本連載第37回拙稿『2015年、原子力規制委員会は「科学的・技術的」な集団へ脱皮できるか?』に詳しい。

 規制委・規制庁は、敦賀や東通に係る“活断層”の扱いに関して、いったい、いつまでこんなことを続けるというのか?

 規制委・規制庁は、科学的な根拠を基に“○か×かの判定”をすべきなのに、なぜそれをせずに曖昧な言い方に終始するのか?

 東通原発の活断層を調査するため、規制委・規制庁に「東北電力東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」が設置されている。この有識者会合は、先月22日の第12回評価会合で、「評価書案」を提示した。

 この評価書案は、一言で言うと、東通原発の敷地内にある破砕帯は“活断層でないとは言えない”という曖昧なもの。この評価書案に対して、東北電力は今月15日、反論の意見書を提出した。このような規制委・規制庁vs東北電力のやり取りは、今後どうなっていくだろうか?

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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