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岸博幸の政策ウォッチ

給料だけじゃない!保育士不足を生む本当の原因

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第1回】 2015年2月6日
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 これまで「クリエイティブ国富論」というタイトルの下で連載してきましたが、あまりクリエイティブではない経済政策批判を書くことも多く、タイトルと中身が合っていないなあと時折反省していました。加えて言えば、個人的に今年からはバラエティ的な仕事を徐々に減らし、経済政策の世界に戻ろうと考えていることもあるので、今回から「政策ウォッチ」という新しいタイトルの下で経済政策にフォーカスした形に変えさせていただきます。どうか引き続きよろしくお願い致します。

 そこで、今週は記念すべき(?)第1回にふさわしく、保育士の資格を巡る利権構造の存在を説明したいと思います。巷では保育士不足が喧伝されることが多いのですが、あまり語られることのないこの深刻な問題も影響しているのです。

保育士不足の深刻な実態

保育士不足は待遇の悪さだけが原因ではなく…

 保育の充実や待機児童の解消は、社会保障分野における重要な政策課題となっています。実際、2017年度末には保育士が7万4000人も不足すると厚労省は予測しています。

 それでは、なぜ保育士が不足するのでしょうか。最大の理由として挙げられるのは、責任が重く重労働の割には給料が安いなど待遇が悪いという点です。保育士の月給は平均21万円台と全産業平均に比べて10万円以上低いことからも、それは間違いないでしょう。

 しかし、保育士不足の原因はそれだけでしょうか。色々と探ってみたところ、もう一つ重要な問題があることが分かりました。

 保育士として働くには保育士の資格を取得することが必要ですが、そのためには、指定保育士養成施設(大学、短大、専門学校で計約620ヵ所)で教育を受けて卒業するか、都道府県単位で実施される保育士試験に合格するかの、どちらかが必要となります。それを経て、都道府県単位で保育士の登録を行なえば、晴れて保育士として働けるのです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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小泉政権時代に竹中平蔵氏の秘書官を務め、数々の構造改革を立案・実行した岸博幸氏がテレビや新聞が決して報じない知られざる政治の裏側を暴きます。

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