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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

ウェブ隆盛時代に新聞の株式欄が生き残っている本当の理由

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第39回】 2008年9月1日
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 「電子時代に紙メディアは生き残れるか?」

 これは、『週刊ダイヤモンド』に連載している「超整理日記」の1995年10月21日のタイトルである【『「超」整理日誌』(ダイヤモンド社/1996年刊)に収録】。それから約13年たったが、紙メディア、とくに新聞は依然として存在している。

 ただし、この世界で大変化が起きていることも事実である。その様子は、電通総研『情報メディア白書2008』(ダイヤモンド社刊)などで知ることができる。

 「どのようなメディアから情報を得ているか」という調査では、政治・経済以外の分野では、インターネットがもっとも多く、とくに芸能、スポーツ、流行・トレンドでは、インターネットが他メディアを大きく引き離している。新聞がインターネットとほぼ並ぶのは、政治・経済の分野だけだ。

 「1日あたりの消費時間」を見ると、10-19歳男性では、新聞を読む時間はわずか3分間でしかない。同年齢層の女性は、2分間だ。それに対してインターネット・Eメールには、男性が約30分間、女性が約45分間を費やしている。年齢層が高くなると新聞の時間は増えてゆくが、インターネット・Eメールはそれほど減るわけではない。50歳以上においても、新聞のほぼ半分の時間がインターネット・Eメールに費やされている。

 メディア別の接触時間の調査はこれ以外にも行なわれており、ウェブで結果が見られるものもある(日経BPネットの記事WebAD Timesの記事japan.internet.com の記事など)。結果の詳細には差があるが、「新聞が減少してウェブが増えている」という一般的な傾向は、どの調査でも同じである。

 「電子時代に紙メディアは生き残れるか?」という問いに対する答えは、すでに出ているというべきだろう。つまり、現在もなお紙の新聞が残っている理由は、「かつて新聞を読んでいた世代がまだ生きているから」だ。

インターネット広告のみ
が増えている

 ビジネスモデルの観点から重要なのは、メディア別広告費の推移だ。これについては、総務省統計局の「日本の長期統計系列」→「サービス産業」、および「日本統計年鑑」→「文化」にある「媒体別広告費」の統計などで知ることができる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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