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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

ここまできた! ビジネスユースを狙う「セールスフォース」や「アマゾン」のクラウド

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第46回】 2008年10月25日
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●クラウド・コンピューティングのさまざまな内容

 クラウド・コンピューティングには、さまざまなものが含まれる。人によって、考えている対象にかなりの違いがある。ニューヨーク・タイムズの記事「What Cloud Computing Really Means 」は、概念の整理に役立つ。それによれば、クラウド・コンピューティングには、つぎのようなものが含まれる。

1. SaaS:「サービスとしてのソフトウェア」。ウェブを通じて特定のサービスを提供する。後述。

2. Utility computing:後述のアマゾンのサービスのように、データ格納などのサービスを提供する。

3. Web services in the cloud:プロバイダーが提供するAPI(後述)を用いて独自のアプリケーションを開発する。

4. Platform as a service:「サービスとしてのプラットフォーム」。プロバイダーが提供するインフラストラクチャーの上に独自のアプリケーションを乗せる。セールスフォース・ドットコムは、これまでのSaaSからPlatform as a Serviceを提供するサービスに進化したと言っている。

5. MSP (managed service providers):スパムメール除去やウィルス捜索サービスなど。

6. Service commerce platforms:SaaSとMSPを統合したもの。秘書サービスや旅行関連サービスなどがある。

7. Internet integration: SaaSなどインターネットから供給されるサービスを統合するもの。「クラウドの中のバス」とも言われる。

 ニューヨーク・タイムズの記事は、これらさまざまなサービスの供給において、新しいベンチャー企業が活躍していることを紹介している。それらがすべてアメリカ企業であるのが残念なことだ。この分野に参入する日本のベンチャーが出てこないものだろうか。

 これらのサービスの中には、企業向けのものも多い(むしろ、こちらのほうが主流と言えるかもしれない)。そのいくつかの概要を見ておこう。なお、これらについては、野口悠紀雄、遠藤諭『ジェネラルパーパス・テクノロジー』(2008年、アスキー新書)の第6章をも参照されたい。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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