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トンデモ人事部が会社を壊す

「この日は休め」と言われて嬉しいか?
続・有給休暇消化の義務化は国力を損なう

山口 博
【第17回】 2015年2月24日
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社員のモチベーションを低下させた
健康診断受診の強制

 毎年3月が近づくと、人事部から、次のような督促をメールや口頭で受けた経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。「あなたは今年度、定期健康診断を受けていません。3月までに必ず受けてください」。

 そして、次のような文言が含まれていることも多い。「定期健康診断は年に1度受診することが義務です」「労働基準監督署へ報告しなければなりませんので、必ず受診してください」「あと○○人受診していない中のお一人です」。

Photo:beeboys-Fotolia.com

 本来、健康診断は企業の社員に対する福利厚生の中でも、最も基本的な、健康維持のためのサービスだ。それが、上記のような督促を受けて、違和感を覚えた社員の方々も少なくないのではなかろうか。違和感が生ずる理由は、社員の福利厚生に関するサービスであるはずの健康診断が、受診義務、報告義務、人事部の提出義務を果たすためのものにすりかわってしまっているからだと私は思う。私が在籍した企業のエンジニアやコンサルタントには「人事部のために受けるなんて、ナンセンスだ」と思っていた人が多かった。

 人事部は、社員の健康維持のためを思って督促しているつもりかもしれないが、上記のような表現では、それが伝わらないどころか、健康診断の押し付けになってしまう。何事も、強制されると反発が生じ、モチベーションの低下につながるものだ。結果、健康診断の受診率の向上に、必ずしも良い結果をもたらさない。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

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