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思い込みを捨て「ゼロ次仮説」で消費者に聴け

市場調査の目線はどこを向いている?

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【第73回】 2015年3月2日
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思い込みに判を押すだけの
市場調査になっていないか

 一口に市場調査といっても、その概念は非常に広く曖昧です。何を調べるのか? 何を検証したいのか?

 突然こんな話をする理由は、最近特に、調査を依頼されたクライアント企業から対象製品についてオリエンテーションを受ける際、クライアントが自社で想定したターゲット層や競合製品よりも優位と考えているポイントに、大きく違和感を覚えることが多いためです。

Photo:カシス-Fotolia.com

 わが社がクライアント企業から市場調査を依頼される場合、多くはすでに商品化が決定しているか、もしくは、少なくともハード面のスペックが決まった時点からです。

 特に、大手メーカーの新製品は、その多くが、開発前の段階で専門の調査会社や大手広告会社の調査部門などによって、消費者への定量・定性的な調査が行われているケースが多いのですが、製品化にGOサインが出るということは、これらの調査で一定以上のスコアを満たし、市場ニーズありと判断された製品のはずなのです。

 しかしながら、なぜ、こんな違和感を感じるのでしょうか。

 そこで、クライアントにヒアリングをして、開発前段階での市場調査プロセスをよくよく検証してみると、何と、定性調査段階で、消費者へのグループインタビューなど主要なプロセスをスキップしていたり、全てのコンセプトが決まった段階で最後に形だけ調査を行うといったケースが、実は多かったのです。

 このような場合、多くは企業の強い思い込みに沿って製品開発が行われていて、市場調査の設計も「消費者にこう反応してほしい」という企業の“願い”が結論になるようなデザインになってしまっていることが少なくありません。

 言うまでもなく、「消費者が、それを本当に必要としているのか」「どういうメッセージが伝われば、消費者は買いたいと思うのか」という視点に立った市場調査をする必要があります。

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藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

 


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