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伊藤忠食品の新流通ルートで
メーカー自ら訳あり商品安売り

【第39回】 2009年7月1日
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 食べられるのに捨てられてしまう“訳あり商品”を解消する新たな販路として、「Eco-モッタイナイ.com」が注目されている。伊藤忠食品がインターネット流通ビジネスを展開するオークネットと提携し、昨年11月に立ち上げた。

 メーカーと購買業者(ネット販売業者がほとんど)の仲介機能を果たすサイトで、すでに120のメーカーと52の購買業者が参加し、サイトには約150アイテムが常時並んでいる。

 生産過剰、パッケージ変更、商品の改廃……。食品業界では、廃棄を出す理由に事欠かない。「われわれ卸だけでも年間数億円の在庫を抱えていた」(佐藤晃一・伊藤忠食品プロジェクト開発部長)。

 しかし、メーカーにとってこれら商品を再度流通させるのは、「常にロスを作っていると思われるのではないか、変なところに流されるのではないか」(メーカー関係者)と心配が多い。そのため、「汚水処理プラントを作って廃棄する飲料メーカーがあるなど、マイナスの営業努力をしているところが多い」(佐藤部長)。

 「Eco-モッタイナイ.com」では、メーカーの心理的な参入障壁を取り払うべく、“訳あり”となった理由を明記したうえで、売りたい商品を売りたい量だけ出品してもらう。当サイト内での価格設定や値下げもメーカー主導。売り先も、伊藤忠食品が精査して参加を許可した購買業者のなかからメーカーが選定できる。

 また、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ氏が提唱する「MOTTAINAIキャンペーン」に賛同して収益の一部を寄付するという、環境問題への寄与の大義名分をも用意する。

 2007年の農林水産省の調査によると、年間約94万トンの食品が賞味期限切れや返品によって廃棄されている。企業にとって適正生産、適正在庫を目指すのは基本だが、欠品回避や新商品の導入が商売上欠かせないのもまた事実だ。

 消費者には、理由が明確で安く買えるならば欲しい、というニーズは多い。購買業者のネットプライスでは、大手メーカーのカップ麺4000ケースが1週間もたたずに完売したこともあるという。

 メーカー自らが商品を希望小売り価格より安く販売すれば、ブランドイメージを損ないかねないというのが今までの常識だ。「Eco-モッタイナイ.com」の隆盛は、その常識の真偽を問う試金石となりそうだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  新井美江子)

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