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平井 陽一朗の人材「共育」日誌

転職はしんどいが、自分を成長させるチャンスだ

平井陽一朗 [ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]
【第2回】 2015年3月25日
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 今回は人の成長と転職の話です。

 “若手社員の突然の退職に社長が激怒した”というハナシが昨年ネットを賑わせていました。実は私も最近、手塩にかけて育てた若手の部下が突如、転職の報告をしてきた時には、やはり激怒してしまいました。私自身も15年前、前回お話ししたようなチャンスをいただいた三菱商事を、入社から3年も経たずに辞めてしまったにもかかわらずです。

漠然とした理由で転職を考えていませんか?
Photo:taniho-Fotolia.com

 転職の理由には、家庭や個人の事情や、本当にギブアップ、といった致し方ないものや、どうしても起業したい、または新たな役割に挑戦したいといった場合など、誰もが理解できるようなケースもあります。しかし時として、事業領域や職種を変えたいから、とかキャリアアップのため、というような、漠然とした理由で転職する人もいます。

 今いる会社の中に本当にそういうチャンスはないのでしょうか。一度でもトライしたのか。給料が上がるから、といっても、月の手取りにすれば大した差ではないでしょう。今の会社で培ってきた実績や信用、人間関係、そういったものを捨てるほどの価値がそこに本当にあるのか。実は「逃げ」ではないのか。

 今の会社の中に解があるかもしれないにもかかわらず、それを突き詰めずに、耳当たりの良い理由を作って転職を選んでしまうとしたら、それはあまり良くないな、と自戒の念も含めて思っています(逆に正直に、どうしても目先の収入アップを取りに行きたいから、能力的にギブアップなんです、とか言った方がまだ潔いですね)。

 辞めると言ってきた部下には、もちろんこうしたことも問いただしましたが、決心は固く、翻意することはありませんでした。その後、彼の言葉がある気づきを与えてくれ、最終的には私も納得の上で彼を送りだすことができました。

 私自身が三菱商事を辞めた時は、正直彼ほどの覚悟があったわけではありません。しかし、送り出していただいた時にもらったメッセージには彼の言葉と共通するものがありました。

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平井陽一朗[ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター]

ひらい・よういちろう/ボストン コンサルティング グループ(BCG) パートナー&マネージング・ディレクター。1974年、東京都生まれ。米国の公立高校を卒業後、東京大学経済学部卒業。三菱商事を経て、BCGへ入社。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパン、オリコン取締役副社長兼COO、ザッパラス代表取締役社長兼CEOを経て、再びBCGに入社、現在に至る。ネットサービス系企業における経営経験などを活かし、デジタルコンテンツやEコマース領域などを中心に、企業戦略や事業開発、グローバル戦略等、数多くのプロジェクトを手掛ける。


平井 陽一朗の人材「共育」日誌

「育成」は本当に難しい。例え育成の仕組みが充実していても、育てられる側に成長への意欲がなければ成立し得ません。かといって「成長なんて自己責任」で片づけてしまえば、永遠に「育成」というものに対する解を得られません。それでは、育成がうまくいっているように見える会社とそうでない会社とでは何が違うのでしょう。そうした悩みの中で、私平井陽一朗が所属していた三菱商事、ボストン コンサルティング グループ、ディズニーなどの企業で得た経験を振り返り、「育つ」「育てる」という難しいテーマを考える端緒にしたいと思います。人材育成で悩んでいる方や、社会人として成長していく過程にある方にとっても、何かしらのヒントがあるはずです。

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