ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる
【第1回】 2015年3月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
スティーヴン・レヴィット [シカゴ大学経済学部教授],スティーヴン・ダブナー,櫻井祐子

世界屈指の天才すぎる経済学者が考えた、
サッカーのPKは絶対にど真ん中に蹴るべき理由とは?

1
nextpage

いま、世界で最も読まれている思考法「0ベース思考」とは、いったいどんな考え方か? ノーベル賞の先行指標と言われるジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞したシカゴ大学の「鬼才」経済学教授レヴィットと敏腕ジャーナリストのダブナーによる書籍『0ベース思考』は、全米で超異例の初版50万部で刊行され、シリーズ750万部を超えるなど、欧米を中心に爆発的な話題となり、いまや日本でもベストセラーリストを賑わせている。
本連載では、同書から冒頭部分を全3回で紹介する。第1回は、ペナルティキックを打つ方向すら経済学的に「ごく合理的に」答えを出してしまう方法についてだ。

何でもゼロベースで考える

『ヤバい経済学』と『超ヤバい経済学』(ともに東洋経済新報社)を出してから、ありとあらゆる質問がぼくたちのところに舞い込むようになった。
「大学の学位には“それだけの”価値があるのか?」(簡単な答え:イエス。くわしい答え:やっぱりイエス)。
「家業を子どもに継がせるべきか?」(もちろん、家業をつぶしたいのならね。データを見るかぎり、外から経営者を引っ張ってきたほうがよさそうだ)。

 もっと本質的な質問もあった。
「何があれば本当に幸せになれる?」「所得格差ってそんなに深刻な問題?」「オメガ3脂肪酸の多い食事は世界を平和にする?」

 いろんなものごとの、よい点、悪い点を知りたいという人もいた。
 自動走行車に母乳育児、化学療法に相続税、水圧破砕法、宝くじ、祈り療法、オンラインデート、特許法の改正、サイの密猟、アイアンでのティーショット、仮想通貨などなど。あるとき「肥満の蔓延を解決する」方法を教えてほしいというメールを受けとったかと思えば、5分後には「世界の飢餓をなくして、いますぐ!」なんてメールを受けとる始末だった。

 ややこしすぎて解決できない謎や、難しすぎて解決できない問題なんかあるはずがないと、読者ははなから思い込んでいるようだった。ぼくたちが特別なツールを、何か特製の鉗子みたいなものをもっていて、それを体に差し込めば、埋もれている知恵を引っ張り出せるとでもいうように。
 それが本当ならいいのに!

 現実には、問題を解決するのは難しい。何かの問題がいまもあるってことは、いままでも大勢の人が解決できなかったってことだろう。簡単な問題は消えてなくなる。いつまでも残っているのは、難しい問題なのだ。それに、小さな問題一つとっても、きちんと答えを出すには、適切なデータをつきとめ、整理して分析するのにかなりの時間がかかるものだ。

 だから個別の質問に答える本を書いて、むざむざ失敗するくらいなら、前の2作で示したようなちょっと変わった、そう「フリーク」〔常識の枠に収まらない人、既存の慣習にとらわれない人〕みたいな考え方が誰でもできるようになる、って本を書いたほうがいいんじゃないかとぼくたちは考えた。

 それはどんな本になるだろう?

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


 

スティーヴン・レヴィット [シカゴ大学経済学部教授]

 

シカゴ大学経済学部教授。ハーバード大学(経済学)を最優等で卒業後、MITで経済学のPh.D.取得。94年から97年までハーバード大学のエリート研究者養成制度ソサエティ・オブ・フェローズのジュニア・フェローに選出。03年、ノーベル経済学賞の登竜門と言われるジョン・ベイツ・クラーク賞受賞。04年よりシカゴ大学ベッカー・フリードマン研究所ディレクターを兼務。06年、タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選出。09年、ノーベル経済学賞を受賞した故ゲーリー・ベッカー、ダニエル・カーネマンらとTGGグループを設立。スティーヴン・ダブナーとの共著に、世界的ベストセラー『ヤバい経済学』『超ヤバい経済学』(ともに望月衛訳、東洋経済新報社)がある。

 

 

スティーヴン・ダブナー

 

コロンビア大学でMFAを取得。同大学で教鞭を執った後、ジャーナリストに。NYタイムズ誌、ニューヨーカー誌、タイム誌ほかさまざまなメディアで執筆を行う。著作にレヴィットとの共著の他、『さまよえる魂』(未邦訳)などがある。

 

櫻井祐子(さくらい・ゆうこ)
幼少期よりヨーロッパやオーストラリアなど、10年以上を海外で過ごす。雙葉学園、京都大学経済学部経済学科卒。大手都市銀行在籍中にオックスフォード大学で経営・哲学修士号を取得。東京在住、一女一男の母。
訳書は、『選択の科学』(文藝春秋)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『100年予測』『エッセンシャル版マイケル・ポーターの競争戦略』(早川書房)、『劣化国家』(東洋経済新報社)など多数。


0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる

いま、世界で最も読まれている思考法「0ベース思考」とは、いったいどんな考え方か?
その考え方を紹介した書籍『0ベース思考』は、全米で超異例の初版50万部で刊行されるなど、欧米を中心に爆発的な話題となり、いまや日本でもベストセラーリストを賑わせている。
その思考法は「ワールドカップでPKをどの方向に蹴るべきか」といった卑近な問題から「イギリスの公共政策」のような難問まで、あらゆる問題をバイアスをゼロにして考えることでシンプルに解決してやろうという大胆なものだ。
かつて『ヤバい経済学』で一世を風靡した著者コンビによる、世界中の読者の目からウロコを落としまくっている新作の冒頭部分を全3回で紹介する。

「0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる」

⇒バックナンバー一覧