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経済は世界史から学べ!
【第12回】 2015年3月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
茂木誠 [駿台予備学校 世界史科講師]

円高・円安はアメリカのルール違反から生まれた!
44年前、世界に激震が走った日

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新聞、テレビで「円高・円安」という言葉を聞かない日はありません。このルーツには、超大国アメリカと、第2次世界大戦の敗戦国である日本と西ドイツが複雑に絡み合っています。見ていきましょう。

キーワードは、「日本・西ドイツの復興」
「アメリカの金の流出」

 ニュースで「円高」「円安」という単語が出てこない日はありません。しかし戦後、ブレトン= ウッズ体制によって、通貨の交換比率は固定されたはずです。固定相場制では、「円高」「円安」など起こりえません。何があったのでしょうか。キーパーソンは、アメリカの第37代大統領、ニクソンです。

アメリカの第37代大統領、ニクソン

 「1ドル=360円」の固定相場制が戦後の世界貿易を活性化させ、特に敗戦国である日本と西ドイツの経済復興を支えました。

 両国は経済復興後も、通貨である日本円と西独マルクが安いレートで固定されていたので、日本製品と西ドイツ製品はドル換算では超安値となり、アメリカ市場へ大量に輸出されます。

 アメリカ国内では、ケネディ、ジョンソンと2代続いた民主党政権のもとで福祉予算が増大し、ジョンソン政権が始めたヴェトナム戦争によって軍事費も拡大しました。財政再建のため、アメリカの中央銀行であるFRBがドルを増刷した結果、インフレが進んでアメリカ製品は値上がりし、安い日本製品、ドイツ製品が飛ぶように売れたわけです。

 貿易代金の支払いはドルで行われます。日本企業や当時の西ドイツ企業がニューヨークの銀行に開いた口座に、ドルがどんどん払い込まれていきます。

 彼らがドルを、「金に交換してくれ」と要求すれば、アメリカはイヤとはいえません。このままでは、アメリカが蓄えていた金がどんどん海外へ流出していきます。

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茂木誠(もぎ・まこと) [駿台予備学校 世界史科講師]

駿台予備学校世界史科講師。
「東大世界史、難関国立大世界史」等の講座を担当。映像を駆使したストーリー仕立ての講義は、「歴史の流れ」がわかると大好評。予備校の東大受験クラスから初学者まで、あらゆる学力の生徒を教えるテクニックがある。時事問題を歴史的な切り口から考察する『もぎせか館ブログ』を運営するブロガーとしての顔も持つ。

 


経済は世界史から学べ!

本連載は「世界史というレンズ」を通して、経済をより深く理解するというアプローチをとったものです。
経済(お金)に関する事柄は、ある日突然生まれたものではなく、歴史的な必然性を持って生まれます。
ゆえに、その歴史の必然性を知ることで、経済をより深く理解することができるのです。
増税、TPP、円高、デフレ、バブル、国債、恐慌etc。
「そのとき、何が起こっていたのか」という歴史の流れを知ることで、経済の「なぜ」「どうして」がスッキリわかるようになります。
著者は、駿台予備校講師の茂木誠氏。「東大世界史」「難関国立世界史」等の講座を担当する実力派です。
歴史の流れをわかりやすく、そして深く理解させるプロフェッショナルが、「経済を世界史から学ぶ」という試みに挑戦します。

「経済は世界史から学べ!」

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