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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

“敏腕総務部長”の不在は、
会社存亡の危機に直結する!

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第15回】 2015年3月17日
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「ペヤング事件」がSNSとリアルで
約10日もタイムラグがあった理由

かつての敏腕総務部長はどこへ行ってしまったか? Photo:milatas-Fotolia.com

 昨年末の話になるが、みんなが大好きな“ペヤング”にゴキブリが混入するというショッキングな事件があった。マスコミでこの事件が大きく取り上げられたとき(12月11日)、同商品の回収にとどまらず、全面的に操業をストップしたという会社側の対応を見て「思い切った対応をしましたね」と好意的なコメントをしているTV番組のキャスターもいた。企業の役員クラスの人々の反応もおおむね好意的なものだった。

 いっぽう、SNSに馴染んだ若い世代の意見はまったく違った。ネット上では、操業ストップのニュースを受けて、「やっとか」「おせーよ」という反応をした人が過半を占めた。

 テレビや新聞などで大きく取り上げられてから“ペヤング事件”を知った層にとっては「早急な対応」に見えたかもしれないが、この事件が最初に明るみになったのは、虫が混入したペヤングの写真のSNSへの投稿(12月2日)である。虫が混入された麺のショッキングな写真がアップされ、その後の会社とのやり取りなどについてもリアルタイムにつぶやかれ続けていたのだ。同時に、実際にペヤングが作られている古びた製造機械の写真なども流出し、衛生面や安全面での問題がいろいろ指摘されていた。この間は9日。SNS世代とSNSに馴染みの薄い世代との間には大きなタイムラグがあったのだ。

 実際に、多くの企業ではこういった状況が起こりうる。50代以上の経営幹部クラスの人間は、たいていSNSへのなじみが薄い。“リツイート”や“シェア”の意味もよく知らないのではないだろうか。彼らは、TVや雑誌などいわゆる“マスコミ”の影響力や怖さは知っていても、SNSの怖さについては感覚的にはほとんどわかっていない。そのため、“よくわからない”SNSへの対応はかなり極端だ。過敏に反応するか、無視するかの二択になっているような気がする。ペヤング事件でも、購入者本人に「お互いのため」といった言い方で投稿を消すよう指示してしまい、本人とそれを知った多くの人たちの反感を買ってしまった。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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