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女性社員のトリセツ
【第14回】 2010年1月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

「独身女性社員」VS「子持ち女性社員」
なぜ彼女たちは対立してしまうのか

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「女同士だから分かり合える」と考える上司
立場が異なる女性をライバル視する女性部下

 職場に出産や育児を支援する制度ができるのは喜ばしいことですが、その一方で立場の異なる女性社員同士の溝が深まってしまうケースもよく目にします。

 典型的なのが、「独身の女性社員」VS「既婚・子どもありの女性社員」の対立です。いずれは復帰することが前提だと、人員補充をしないことも多いので、産休や育休、時短などの制度を利用することによって生じた穴を、自由のきく独身女性が埋めるケースが出てきます。

 しかし、それと同時に、

 「私たちにばかり仕事のしわ寄せがきて不公平だ」
「子育て中の女性にばかり優しい制度で、私たちには全然優しくない」
「子育てを理由に面倒な仕事を避けているのではないか」
「なぜ子持ち女性ばかり優遇されるのか。独身女性には休暇など与えられないのに」

といったフラストレーションを溜め込むことになります。

 かと思えば、こう文句を言っていた彼女たちがいざ結婚、出産すると、

 「仕事と育児の両立の大変さは独身者にはわからない」
「育休や時短は当然の権利なんだから、周囲がサポートするのは当たり前」

とガラリと言うことが変わってしまうのです。「カメレオン型仕事観」ですね。

 男性上司は「女性同士なんだから、自分に子どもができたときのことを考えれば、喜んで協力するだろう」と楽観視していますが、同じ女性といえども、立場が違えば、考え方は180度異なり、お互いの立場を理解し合うのはなかなか難しいものがあるのです。むしろ、ライバル視し、対立構造すら起きやすいのが現実です。

 また、「既婚・子どもありの女性社員」グループでも、子どもが中学生以上の人、子育て真っ最中の人では、価値観が異なります。

 「最近、ようやく1年間の育休を認めようという雰囲気が社内にでき、安心して女性上司に妊娠を報告することができたんですが……」

と切り出したのは、おもちゃメーカーで仕入れなどを担当している、公私セパレートさんである30歳の女性です。子どもがすでに高校生になっている40代の女性上司は、

 「そうなの? いまの状況だと、半年以上休まれるとつらいわ。どれくらいで戻れる?」

と、はなから迷惑顔。当然、すんなり育休が取れるだろうという彼女の思惑は外れてしまいました。

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前川孝雄 [(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師]

株式会社FeelWorks代表取締役、青山学院大学兼任講師。
1966年兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学経済学部、早稲田大学ビジネススクール・マーケティング専攻卒業。株式会社リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」等の編集長を歴任後、多様な働く人の価値観に精通した知見を活かし、2008年に株式会社FeelWorks設立。コミュニケーション循環を良くすることで温かい絆を育み組織の体質を変えていく「コミュニケーション・サイクル理論」(CC理論)を構築。「絆」と「希望」作りによる人材育成というユニークなコンセプトで話題を集め、『上司力研修』『キャリアコンパス』『Feelリーダーシップ』など独自プログラム、人間味溢れる講師育成にも力を注ぎ、多くの企業で好評を博している。
その親しみやすい人柄にファンも多く、人を育て組織を活かす「上司力」提唱の第一人者として自ら年間100本超のセミナーもこなす傍ら、テレビコメンテーター、コラム連載などでも活躍中。現場視点のダイバーシティマネジメント、リーダーシップ開発、キャリア論に定評がある。
主な著書に『若手社員が化ける会議のしかけ』(青春出版社)、『女性社員のトリセツ』『上司力トレーニング』 (共にダイヤモンド社)、『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』(光文社)、『はじめての上司道』(アニモ出版)、『頭痛のタネは新入社員』(新潮社)、『組織「再起動」プログラム』(ビジネス社)など多数。2011年度から青山学院大学で「キャリアデザイン特別講座」の教鞭もとる。

ブログ 「前川孝雄の“はたらく論”」 http://ameblo.jp/feelworks-maekawa/
ツイッターアカウント @feelworks

 


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男性管理職にとって悩みのタネは女性社員。こんなに気遣っているのに、どこかしっくりこないのはなぜ? 女性社員の本音と上手なつき合い方を解説していく。

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