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メディアが報じない「心温まる日中・日韓史」

東本由紀子
2015年3月20日
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2015年は戦後70年、日韓国交正常化から50年という節目の年にあたり、今夏には安倍首相による「戦後70年談話」も予定されている。しかし、今や日本の重要な経済パートナーとなった中国、韓国との関係は冷え込むばかり。日本として譲れない立場を主張する一方、大人のパートナーシップを築くことはできないものか。実は近世・近代の日中・日韓史には、そんな事例がある。メディアが報じることのない「心温まる日中・日韓史」を今あえて振り返り、今後の日中・日韓関係を考える上でのヒントを提示したい。(取材・文/東本由紀子、編集協力/プレスラボ)

戦後70年、厳しさを増す日中・日韓関係
近世・近代史に学ぶ「解決のヒント」とは?

戦後70年を迎える今も、日中・日韓関係は冷え込むばかりだPhoto:MeijiShowa.com/AFLO

 2015年は戦後70年、日韓国交正常化から50年という節目の年にあたる。しかし尖閣諸島や竹島などの領土問題、靖国参拝や従軍慰安婦をめぐる歴史認識のずれを背景に、近年の日中・日韓関係は厳しさを増している。内閣府が昨年12月に発表した世論調査では、中国に「親しみを感じない」(「どちらかというと親しみを感じない」を含む)と答えた人の割合は83.1%、韓国に「親しみを感じない」(同)と答えた人の割合は66.4%と、いずれも調査を開始して以来最も高い割合となった。

 こうした世論を反映してか、書店では中国や韓国を批判する嫌中・嫌韓本、反対に日本を賛美し愛国心を鼓舞するような内容の本を目にする機会が多くなった。また、過激なコールやプラカードで中国人や韓国人を排斥するデモも頻繁に起きており、人種差別に基づくヘイトスピーチ(憎悪表現)だとして、昨年国連から規制の勧告を受ける事態にまで発展した。

 同じ東アジア文化圏でありながら、その歴史認識や政治スタンス、価値観などの違いから、「近くて遠い国」とも表現される中国や韓国。政府レベルでも、安倍首相が今夏発表するとされる「戦後70年談話」に向けて、2月下旬には有識者会議が発足したが、もし村山談話の内容が踏襲されなければ、中国・韓国の反発を招くのは必至と見られる。識者の間からは「ますます日中・日韓関係が冷え込むのではないか」と危惧する声も出ている。

 領土問題など、国家として譲れない立場を日本が主張すべきであることは言うまでもない。しかし、グローバル化する社会の中で、日本の経済的発展がもはや中国や韓国との協調なしには成り立たなくなっているのも事実だ。

 問題は、主に日中・日韓間の火種の根底に横たわる近世・近代の史実について、日本の世論を決める我々一人ひとりがバランスのとれた歴史観を持てるかどうか、そして国際社会において隣国同士に求められる「大人のパートナーシップ」を意識できるかどうかだ。そこで今回は、嫌中・嫌韓の世論が高まるなか、新しい視点を持つための参考になるかもしれない「心温まる日中・日韓史」を、あえて紹介したい。教科書やメディアでは、ほとんど報じられていないものだ。

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