ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

【特集・クラウドと、どう向き合うか(3)】

なぜ富士通は、自社の全システム
1万3000台のサーバをクラウドへ移行するのか

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第82回】 2015年3月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

クラウドサービスの提供だけでなく
「インテグレーション」が強み

富士通の小田成執行役員サービス&システムビジネス推進本部長兼OPプロジェクト室副室長 Photo by DIAMOND IT Business

 「富士通はクラウドサービスだけを提供しているのではない。お客様のニーズに応じてクラウドも合わせて最適なICTシステムを提供できるように、トータルなインテグレーションを行うことこそが当社の使命だ」

 富士通の小田成執行役員サービス&システムビジネス推進本部長兼OPプロジェクト室副室長は、同社のクラウド事業の特徴についてこう語った。

 小田氏が言う「クラウドサービス」とは、ハードウェアを中心としたICT資源をサービスとして利用する「IaaS(Infrastructure as a Service)」、ソフトウェアの開発・実行基盤である「PaaS(Platform as a Service)」、アプリケーションソフトウェアを利用する「SaaS(Software as a Service)」からなるパブリッククラウドサービスのことを指す。

 小田氏の冒頭の発言は、この分野での競合他社を強く意識したものでもある。とくにグローバルなIaaS/PaaS市場では、アマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社が激しいコストパフォーマンス競争を繰り広げているが、富士通は同じ土俵で戦いながらも顧客企業に対する役割として、これら競合他社と一線を画す。その異なる役割を一言で表したのが「インテグレーション」である。

 そのインテグレーションも盛り込んだ形で、富士通が手掛けるクラウドサービスの全体像を示したのが図1である。同社は2009年からクラウド事業を始めたが、2013年5月に関連するサービスを「FUJITSU Cloud Initiative」として体系化した。見ての通り、フルスタックのクラウドサービスを取り揃えている。

(出典:富士通)

 小田氏によると、パブリッククラウドサービスの契約社数は900社を超え、SaaSの種類は約100種を数える。そしてクラウド事業全体の売上規模としては、2013年度で1870億円に達し、2014年度で2500億円の見込み。これを2016年度には3500億円まで引き上げたいとしている。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント
facebookもチェック

松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


IT&ビジネス 業界ウォッチ

IT業界で話題の新サービス・新製品のニュース、これから話題になりそうな新ツール、知っておきたい各種の統計調査……などなど、経営効率化に寄与するIT業界の今のうごきをレポートします。

「IT&ビジネス 業界ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧