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元経産官僚・伊藤慎介の“天落”奮闘記

起業するなら日本!
再び“モノづくり”の時代が来る

伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]
【第7回】 2015年3月4日
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起業パートナーである根津孝太氏のznug designが開発した電動バイク「zecOO」。2015年3月25日から888万円で販売開始予定

 「日本で超小型の電気自動車を作るベンチャーを立ち上げました」というと、「ITやアプリなどと違って、モノづくりは大変ですよね」とか、「日本にはしがらみが多いので海外でビジネスをした方がいいのではないですか」と言われることがある。

 御意見はもっともであり、同じインキュベーションオフィスに入居している他のベンチャーの動向を見ていても、IT系やサービス系の方が圧倒的に多く、その方が短期間に成長しているように感じる。

 また、電気自動車のベンチャーの中には、フィリピンやタイなどアジアでの事業化を先行的に取り組んでいる企業があるが、世界的な有力メーカーの少ないアジアでトライすることの合理性も分かる気がする。

 しかし、モノづくりをやるなら日本でやるのが面白いというのが筆者の意見だ。

世の中にないものは
作り手が生み出すしかない

第1回でも述べたが、共同創業者でありパートナーである根津のことを筆者が知ったのは、たまたま見ていたニュース番組で彼が手がけた電動バイクのzecOO(ゼクウ:写真)が取り上げられていたからだ。

 その作品の持つ美しさに圧倒され、すぐに彼に連絡を取りたくなった。そのときは一緒に起業することになるとは思いもしなかったが、彼と頻繁に会うようになったことがrimOnO(リモノ)の設立につながった。

 根津はこういう。

 「究極のマーケットインはプロダクトアウトです」

 企業の勝手な思い込みで商品を作っても売れないので、消費者が欲するものを作るべきというのがマーケットインという概念である。しかし、消費者がよく知っている商品であればともかく、世の中に一度も登場したことがない商品の場合はどうなるのか。

 作り手自身が欲しいと思うようなものを作り、それを提示すべきではないか、というのが根津の主張だ。

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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

いとう・しんすけ/株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長。1973年生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現、経済産業省)に入省。経済産業省では、自動車用蓄電池の技術開発プロジェクト、スマートハウスプロジェクト、スマートコミュニティプロジェクトなどの国家プロジェクトを立ち上げた後、2011~2013年には航空機武器宇宙産業課において航空機産業政策に従事。2014年7月に経済産業省を退官し、超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOをznug design根津孝太と共に設立。


元経産官僚・伊藤慎介の“天落”奮闘記

経済産業省の官僚としてキャリアを積んできた伊藤慎介氏。しかし、新しいコンセプトの電気自動車を世に出すべく退官。株式会社rimOnOを設立した。官僚として定年まで勤めて政府系団体のポストに就くのが“天下り”だが、伊藤氏は官僚という“天”の地位から“下る”のではなく自ら“落ち”、リスクを背負って起業した。しかし、伊藤氏はそれによって産業政策についての新たな視点を得た。本連載では今の日本に求められるイノベーションとは何なのか、新たな産業の創造には何が必要なのか、官僚を辞めリスクをとって起業し、奮闘したからこそ見えてきた視点・視角をお届けする。

「元経産官僚・伊藤慎介の“天落”奮闘記」

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