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銀行は融資先の株式を一気に売却するチャンスだ

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第371回】 2015年3月25日
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企業が他社の株式を保有する理由
株主に合理的に説明できるのか?

Photo:kritchanut-Fotolia.com

 金融庁が主宰する有識者会議「コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議」(座長・池尾和人慶応大学教授)が、3月5日付けで「コーポレートガバナンス・コード原案」を発表した。上場会社の行動指針となる原則を述べたものだ。

 この原則は、投資家の側の行動原則を述べた「日本版スチュワードシップ・コード」と対をなすものと考えられる。前者は、正直なところ、実効性の乏しい間の抜けたものだったが(GPIFのような公的な株主には内容に深刻な矛盾もある)、今回のコーポレートガバナンス・コードは、一読してみて、なかなかよくできた内容だ。

 この中の「原則1-4.」が面白いので引用する。

 「【原則1-4.いわゆる政策保有株式】
 上場会社がいわゆる政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開示すべきである。また、毎年、取締役会で主要な政策保有についてそのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性について具体的な説明を行うべきである。
 上場会社は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準を策定・開示すべきである」

とある。

 この原則は、上場会社は資本政策の基本方針を説明すべきだとした「原則1-3.」に続くものだ。

 例えば、共に上場会社のA社がB社の株式を時価で100億円相当保有しているとしよう。

 A社の株主から見ると、B社の株式を100億円で売却してそのキャッシュをB社の株式よりも有効なビジネスに投資してくれるか、あるいはそのお金を配当やA社の自社株買いに振り向けてくれるかした方が、好ましいということは十分あり得る。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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