経営 X 人事
中原淳の学びは現場にあり!
【第7回】 2015年4月1日
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中原 淳 [東京大学大学総合教育研究センター准教授],井上佐保子

「プロ主婦」研修でウーマンパワーを引き出せ
検証現場 ⇒ベアーズ【前編】

日本初の家事代行サービス会社として急成長しているベアーズ。そのサービスはベアーズレディと呼ばれるサービススタッフに支えられています。ベアーズレディの平均年齢は50歳代で、ほとんどが今まで働いたことがないごく普通の主婦。専業主婦たちが家事のプロとしてイキイキと働く現場の秘密に迫ります。

高橋ゆき専務。自身も主婦であり、母である。「数年単位でベアーズを利 用する期間と、利用しない期間をつくります。そうして、お客様の気持ちを理解す るよう努めています」

専業主婦を戦力に

 「夫婦共に残業が続くと、家の中は荒れ放題で…」「会社帰りに保育園へお迎えに行き、夕食、お風呂……。忙しくて猫の手も借りたいくらい」

 結婚しても働き続ける女性が増え、夫婦共働き家庭の割合は年々増加しています。仕事から疲れて帰宅すると、山積みの家事が待っていて、さらに疲れが増す……という状況に頭を悩ませている家庭は少なくありません。共働き家庭以外でも、出産直後の女性、高齢の夫婦、病気や高齢の家族を抱える介護者……など、家事支援のニーズは高まっています。

 そうした中、ベアーズは従来からあった富裕層向けのお手伝いさん、家政婦さんとは異なる「家事代行サービス」を提供し、急成長しています。「家事代行サービス」は、掃除、洗濯、子どもの送迎などさまざまな家事を定額で代行するもので、ベアーズでは1時間当たり3300(税抜)円、2 時間から利用できます。

 このサービスの核となるのが、約4300 名のベアーズレディと呼ばれる20~80歳代のサービススタッフなのですが、そのほとんどが働いた経験のない専業主婦たちです。

 主婦として普段から家事をやっているとしても、プロとして家事代行サービスを提供するのは簡単なことではありません。専業主婦だった女性たちが、プロのサービススタッフとして笑顔で仕事をしているのはなぜでしょうか?

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中原 淳[東京大学大学総合教育研究センター准教授]

東京大学 大学総合教育研究センター准教授。著書に『職場学習論』『経営学習論』『活躍する組織人の探究』『研修開発入門』『駆け出しマネジャーの成長論』など多数。企業における人材開発の実証的研究をすすめるかたわら、さまざまな研修・ワークショップなどを開発・評価。近年では、新任マネジャー向けワークショップ「マネジメントディスカバリー」、人材開発担当者向けワークショップ「研修開発ラボ」などを開発。Blog: http://www.nakahara-lab.net/blog/、Twitter ID: nakaharajun

 

 

井上佐保子(いのうえ・さおこ)

1972年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。通信社、出版社勤務を経て、2006年にフリーランスライターとして独立。企業の人材育成、人材マネジメント、キャリアなどをテーマとして、企業事例、インタビュー記事などを執筆。人事・人材育成分野の書籍ライティングも手がけている。


中原淳の学びは現場にあり!

このコーナーでは、毎回、“学びに満ちた仕事の現場”を訪問し、WorkplaceLearning(職場の学び)の観点から、検証していきます。日頃はあまり目にすることのないさまざまな職種の「現場」。そこでは、どのような仕事がなされ、人はどのようにして知識やスキルを学び、育っているのでしょうか。企業の人材育成では見落とされがちな「学びのスイッチ」を掘り当てます。

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