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サーチャージ込みの旅行代金は需要回復の妙手か、やぶへびか

週刊ダイヤモンド編集部
2008年9月9日
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 「今年の夏休みシーズンは、燃油サーチャージを理由にかつてない数のキャンセルが発生した」と大手旅行会社の店長。家族4人でハワイへ行けば、旅行代金とは別にサーチャージ16万円(日本航空、全日本空輸)がかかる。「諦めるのも無理はない」。店長は肩を落とす。

 そんななかJTBは、2009年度上期の海外パッケージツアーパンフレットで、変動するサーチャージの額を6ヵ月固定して旅行代金と一本化した「総額表示」を採用する方針を打ち出した。わかりやすい料金表示で消費者の不満を和らげようというのだ。

 パンフレットの更新は半年に1回。サーチャージの改定は3ヵ月ごとなので、航空会社の協力が欠かせない。6月には国土交通省が総額表示を求める通達を出し、日航や全日空はJTBとの話し合いの席に着いた。外堀は埋まったかのようだが、じつはそう簡単ではない。

 外資系航空会社では「半年間も同じパンフレットで売るのは無理がある」(経営幹部)といった否定的な見方が強い。日系航空会社にしても「最善の方法が見出せない」(担当者)と頭を抱える。

 サーチャージを6ヵ月固定した場合、上昇リスクを航空会社が負ったとしても、下げ局面に入れば消費者が損を被る。また旅行代金の総額がふくらめば、手数料が増す。航空会社に対する手数料はともかく、消費者に課すキャンセル料が増えるのはうまくない。

 JTBが目標どおりに来年4月から総額表示を導入するには、あと1~2ヵ月ほどで決着しないと間に合わない。

 たとえJTBと日系航空会社のあいだで合意に達しても、他の旅行会社や航空会社の足並みが揃わなければ、さまざまな表示が市場に混在して消費者を混乱させ、やぶへびになりかねない。残された時間は少なく、課題は多い。
 
(『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)

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