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医療・介護 大転換

郷里の親“呼び寄せ介護”に失敗しない方法

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
【第27回】 2015年4月1日
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地方の親を呼び寄せて
介護する家族が増えている

 地方に住む親が一人になったり、あるいはボケが進んで認知症が出始まると、都会で暮らす子どもを頼って引っ越ししてくることが多い。子どもが親を呼ぶので「呼び寄せ老人」と言われる。

Photo:kazoka303030-Fotolia.com

 故郷に家は残し、仏壇はそのまま。住民票も移さないので都会の高齢化率は変わらないが、高齢者の実数は増えていく。こんな現象が、地方の過疎化とともに大きな流れとなっている。とりわけ首都圏では加速している。

 ライフスタイルの違いなどで親との同居が難しいと、近くのマンションに住んでもらうことになる。遠距離でなく近隣介護であれば双方に都合がよく納得しやすい。
だが、その介護者たちは、常に不安を抱えている。もし、急に自分がその夜帰宅できなくなったら、あるいは親が急に自宅生活が難しくなったら、親の預け先はあるのだろうか、という不安だ。仕事上での急な残業や出張、あるいは海外出張、それに遠くへの冠婚葬祭など自宅を離れねばならい状況は多い。

 50代の独身会社員がその親の介護を任されている家族形態は多い。たとえ、家族が居ても、親の介護は実の息子や娘がキーパーソンである。

 誰しも、最期まで自宅で生活を送りたい。家族も、できれば近くにいて常に支えてあげたいと思う。

 とはいえ、現実は「もしもの時」を考えて自宅や近隣介護を諦めて施設入所に走りがちだ。2000年4月に介護保険が施行されて以来、自宅から施設に移る要介護者が増え続けている。施設入所を望んでも満員でかなえられずに、待機している高齢者が全国で52万人にも上る。

 自宅でずっと暮らし続けられそうもない。そんな不安を解消できる介護サービスが必要とされている。4月から新制度になった介護保険がこの課題にどのように応えてくれるのか。 

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浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]

あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。

 


医療・介護 大転換

2014年4月に診療報酬が改定され、ついで6月には「地域医療・介護総合確保推進法」が成立した。これによって、我が国の「医療」「介護」大転換に向けて、第一歩が踏み出された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。

「医療・介護 大転換」

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