推計患者数は4700万人!
メタボ、認知症に並ぶ国民病

メタボよりかわいらしいが本当は怖い「ロコモ」あなたは毎日運動していますか?
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 厚生労働省研究班の推計によれば、健康状態に問題がなく日常生活が制限されることなく暮らせる期間、つまり「健康寿命」を延ばすことで、10年間に2~5兆円程度の医療・介護費用が節減できるという。主に中高年の健康に関するワードとして、「メタボ」ほどではないが浸透しつつある「ロコモ」は、この「健康寿命」にも関わりの深い概念だ。

「ロコモ」とは「運動器症候群」のことで、英名の「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)」の略である。その名の通り、運動器官の障害によって要介護になるリスクが高い状態になることを指している。2007年に日本整形外科学会が提唱し、広まることとなった。

 健康増進法との関わりも深く、同法に基づく厚生労働省の「健康日本21」ではロコモの予防が課題の一つとして取り上げられた。2013年からは認知度向上キャンペーンも行われている。ロコモ予防により要介護者を減らし、医療・介護費用を節減するのは健康増進法の目的にもかなっているのだ。

 日本整形外科学会によれば「ロコモは国民病」であり、変形性関節症と骨粗鬆症に限っても、推計患者数は4700万人という。「メタボ」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「寝たきりや要介護状態」の3大要因のひとつなのだ。