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ぼくは「技術」で人を動かす――リーダーの「つまずきと勘違い」に効くレシピ
【第7回】 2015年4月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
髙島宏平

「メール部下」を動かすコミュニケーション法

「会議中はおとなしい割に、メールでは長くアツい文章を書く部下がいて困る」  新しくリーダーになってまず悩むのは、何と言ってもコミュニケーション。中には、メールでばかりコミュニケーションをとってくるメンバーに戸惑っている方もいるのではないでしょうか? そんな新リーダーに役立つ「レシピ(処方箋)」を、人間力ではなくスキルに着目した異色のリーダーシップ本『ぼくは「技術」で人を動かす』から、厳選してご紹介します!

  ひとくちにコミュニケーションといってもいろいろなパターンがあります。

 私は直接的なコミュニケーションを心がけており、社内であればフロアが違ってもその人の席まで足を運び、対面で話します。実は「怒り狂って足を運んじゃった!」「嬉しくて席まで小走りしてしまった!」ということもけっこう多いのですが、対面が好きなことは確かです。

対面、電話、メール……部下とのコミュニケーションツールに正解はあるのでしょうか?
© NOBU - Fotolia.com

 対面すれば、表情や声のトーン、仕草で読み取れる情報がたくさんあります。遠距離の相手で対面が難しくても、大事な用件であればメールではなく電話にしています。声という情報、間という情報が得られますし、メールよりもライブ感があります。

 しかし、これはあくまで私の場合。得意なコミュニケーションスタイルが「直接話す」だからやっていることです。だからフェイス・トゥ・フェイスが一番、と言うつもりはありません。

なぜなら人はそれぞれ違うからです。

 メンバーと一緒に飲みに行くコミュニケーションが得意なリーダーもいるでしょう。メールのほうが対面よりも言いたいことを正確に伝えられると感じるリーダーは、メールでもいいと思います。

 「メールはよくない」とする風潮はありますが、熟考型の人は即答せずにすむメールを好む傾向があり、メールであっても発言に重みがあります。反射型の人は対面のコミュニケーションの達人が多く、話がスピーディに進みますが、あまりよく考えずに返事をする場合もあります。一概にどちらがいい・悪いとは決められないのではないでしょうか。

 いずれにしろ、リーダーは「自分はこのコミュニケーションスタイルを磨こう」と意識して「自分の得意」を研ぎすますことです。さまざまなチームメンバーと会話し、彼らを成長へと導かなければならないリーダーは、時には厳しいことも言わなければなりません。そんなとき、得意なコミュニケーションは武器となります。

 まずは自分の得意なコミュニケーションスタイルを確立すること。そのうえで、「メンバーが得意なコミュニケーションスタイルは何か」も知っておいたほうがいいでしょう。

 「このメンバーには、メールで言うより直接話したほうがいいんだな」
「1回に10のことを伝えるんじゃなくて、1回に1つずつ、10回に分けて伝えたほうがいい」

 メンバーのコミュニケーションスタイルを知るには、情緒的にならず、あたかも実験のように確かめていくことです。「メールでコミュニケーションしたらこうなった」「電話で叱ったらどうだった」という事実を貯めていって、「次はこんなコミュニケーションをするといいかな」と試していく感覚です。

 これはコミュニケーションにとどまりません。

 「どういうやり方だとこの人は強みを発揮するか」
「この人が同時並行で仕事ができるのは3つまでで、4つになった瞬間にクオリティが落ちるな」

 という確認をすれば、仕事のスタイルも見えてきます。

理想的には、メンバーの得意なコミュニケーションスタイルに合わせられる柔軟さを持つことです。

 私はメールが得意ではありませんが、メンバーはメールが得意というパターンはけっこうあります。そんなときには、合わせ技を使ってもいいでしょう。

 私は対面で自分の考えを話させてもらい、それに対してメンバーは長文のメールで返事をする。それについてまた私が対面で意見を言い……という具合です。

{新リーダー}のためのレシピ
メンバーの得意なコミュニケーションスタイルを知る

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ぼくは「技術」で人を動かす――リーダーの「つまずきと勘違い」に効くレシピ

間もなく創業15年、世界で初めて「生鮮食品のネット通販ビジネス」を実現し、2013年には東証マザーズへの上場も果たしたベンチャー「オイシックス株式会社」。このオイシックスを率いる髙島宏平氏を、創業当時最も苦しめたのは、「人」の問題でした。

「こんな寄せ集めのチームで勝てるわけがない!」
「一体感がなく、個人プレーに走るメンバーが多い」
「チームに負け癖がついていて、どこから手をつけていいかわからない……」

経験もカリスマもない26歳の髙島氏が、悩んだすえに見つけたのは、他のリーダーの「スキル」や「技術」を真似すること。「人間性」は真似できないけど、言葉のかけ方や行動習慣といった「スキル」なら真似できる――。
こうした気づきから15年弱、髙島氏がコツコツと集め、この度『ぼくは「技術」で人を動かす』にまとめた「レシピ」の数々から、多くのチームリーダーの悩み、つまずき、勘違いを治療し、さらに勝てるチームづくりに役立つ「レシピ」を紹介します。

「ぼくは「技術」で人を動かす――リーダーの「つまずきと勘違い」に効くレシピ」

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