ローソンは「コンビニカフェ戦略」を今年さらに強化する
Photo by Hiroyuki Oya

 コーヒー戦争からドーナツ戦争へ――。100円コーヒーで激化したコンビニのレジ横を巡る争いは、新たなフェーズに入った。

 セブン-イレブンは今年8月までにドーナツ展開店舗を全国1万7000店の大半に広げる予定で、ファミリーマートも全12種類というバリエーションの豊富さを売りに販売を始めている。そうしたなか、ついにローソンも独自戦略を引っ提げてコンビニドーナツ市場へと本格参入する。

 すでにローソンは4月12日までに623店にドーナツ専用什器を設置し、販売を開始。8月までには8000店舗へと急拡大する予定だ。また、ドーナツだけではなく、4年前からはじめた「マチカフェ」の人気を担ってきた「カフェラテ」の値段を大きく下げ、ドーナツとの買合わせをさらに促進する戦略に出る。

他社との差別化は店内調理の「マサラダ」
1日で2000個売る店舗も

 ローソンが展開するドーナツ商品は6品。そのなかでも特に同社が推すのは、ドーナツ専門店でも定番であるベーシック商品4品に加えて、“一押しする商品2点”を用意している点だろう。

「他社との最も大きな差別化は、ハワイで人気のおやつである“マラサダ”2点を店内調理によって販売していること。実際にこれらを含めたドーナツの販売数は1日1店舗平均約160個となっている。1日で2000個を売る店舗もある」(和田祐一・ローソン商品本部長)

ハワイアンドーナツプレーン、いわゆる“マラサダ”。砂糖は別途渡されるようになっており、食べる直前、顧客自らが袋のなかに砂糖を入れてマラサダにまぶす
Photo:DOL

 首都圏でも増加しているマラサダ専門店では150円~200円台で売られることが多いこの商品を100円で買えるお得具合もさることながら、季節によってマラサダのフィリング(中身)を替えた商品が今後お目見えするのも魅力。現在は、「チョコレート味」を販売中だが、「はちみつレモン」や「北海道メロン」がこれから発売される予定だ。

 ローソンがドーナツを戦略商品に掲げた背景には、同社が4年前から展開している「MACHI cafe(マチカフェ)」との親和性の高さがある。同社がポイントカード「ポンタカード」の購買データを元に分析したところ、「マチカフェ」(コーヒーやカフェラテ)買い合わせ商品1位はドーナツに。ドーナツの買い合わせ商品1位もまた「マチカフェ」になったという。コーヒーと相性のよい商品開発は、ローソンのみならず、コンビニ各社で引き続き大きなカギになりそうだ。