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石川和男の霞が関政策総研

原発の安全性は“政治ゲーム感覚”で判定されるのか?

「美浜・大飯がOKの代わりに、敦賀・東通はNO」は科学ではない

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第44回】 2015年4月20日
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活断層の有無の判定は、その原発の存続を左右する。写真は美浜発電所

 日本のエネルギー事情のことを慮ると、今をときめく風力や太陽光などの再生可能エネルギーだけでなく、やはり原子力に対しても眼を凝らしてしまう。

 今、日本国民に重くのしかかっている1日100億円、年間3兆8000億円(2014年度ベース)という巨額のエネルギーコストの追加負担。そこに大きな責任を負う原子力発電の生殺与奪を握っているのが、国の原子力規制委員会と、その事務局である原子力規制庁。規制委・規制庁は、資料も議事も会議映像も、ほとんど全てをネット上で公開しているので、ついついチェックしてしまう。

原発の存続を左右する活断層
美浜原発で“驚くべき急展開”

 原子力関連で新聞やテレビで時たま出てくる言葉に“活断層”や“破砕帯”というものがある。ごくごく簡単に言うと、活断層とは地震が起こる可能性の高い断層のことで、破砕帯とは断層に沿って岩石が破壊された帯状の部分のことを指す。どちらも専門的なもので、なかなか一般市民にはなじまないだろう。原子力発電所の敷地内にこの“活断層”があるかどうかの判定が、その原子力発電所の帰趨に大きな影響を及ぼすことになる。

 この“活断層”の存否判定の対象になっているのが、日本原子力発電(敦賀)、関西電力(美浜・大飯)、北陸電力(志賀)、東北電力(東通)、日本原子力研究開発機構(もんじゅ)の6原子力発電所。このうち大飯については、「活断層でない」との結論が出されている。

 15年度に入って、2回目の委員会が開催された4月8日、今までにないような“驚くべき急展開”が見られた。議事録会議映像を見ればわかることだが、会議も終盤に差しかかった頃、田中俊一委員長が突如、議題にはないことを委員会に諮り始めた。関西電力美浜原子力発電所についてである。以下、その部分を抜粋する。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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