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デフォルト秒読み、想定以上に深刻なギリシャの窮状

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第374回】 2015年4月27日
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「このままではデフォルト不可避」
市場関係者の間で高まる懸念

Photo:btwcapture-Fotolia.com

 最近、多くの投資家が、ギリシャのデフォルト=債務不履行の懸念を抱き始めている。現在、ギリシャは事実上、金融市場からの資金の調達が不可能な状況に陥っており、EUからの追加支援が断たれると、5月にも公務員への給与の支払いや国際通貨基金(IMF)への返済ができなくなる。

 その場合には、懸念されてきたデフォルトが現実のものとなる。同国政府の高官の一人は、「ギリシャの命運が尽きつつある」との発言をしており、事態は深刻さを増していることは間違いない。金融市場の参加者の間でも、「今の状況が続くと、デフォルトに陥ることは避けられない」との見方が高まっている。

 ここまで苦境に追い込まれた背景には、ギリシャ政府の財政再建に対する意識が低かったことに加えて、同政府の稚拙な交渉手法があった。今年1月の選挙で勝利した急進左派連合のチプラス首相は、EUやIMFが求める緊縮財政に反旗を翻した。

 チプラス首相の強気の姿勢と稚拙な交渉手法は、EUやIMFとの対立関係をつくってしまった。特に、EUの中心国であるドイツでは、多くの国民がギリシャの態度に強い反発を感じることになった。

 同首相としては、「最終的に、ユーロ圏諸国はギリシャを支援してくれるだろう」との楽観的な見方があったのだろう。しかし、ドイツ等の諸国は、同首相の稚拙な交渉手法で方針を変えるほど安易ではなかった。

 実際にデフォルトが発生した場合、関係諸国や投資家は相応の準備をしていると見られるものの、少なくとも世界の金融市場の大きな波乱要因になることは確かだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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