Photo by Jun Morikawa
4月15日、東京・汐留のソフトバンク本社でひそかに組織改編が行われた。
「社内での発送電分離ですよ」とある幹部は打ち明ける。
ソフトバンクの電力事業といえば、東京電力福島第1原発事故後に、孫正義社長の肝いりで始めた太陽光発電などに取り組む「SBエナジー」が知られる。SBエナジーは2012年に、法人向けの電力販売を行う「SBパワー」を傘下に設立し、販売電力量を急激に増やしていた。
今回の組織改編ではそのSBエナジーからSBパワーを切り離し、ソフトバンク本体の子会社としたのだ。SBパワーの社長には、ソフトバンクモバイルで執行役員を務める馬場一氏が就任、取締役にはモバイルの専務で、ヤフーの取締役でもある今井康之氏が就いた。
要するに「携帯電話を売りまくってきた豪腕たち」(別の関係者)が、次々と投入されているのだ。
ソフトバンクはまだ16年の電力完全自由化への参画を公式発表していないが、この陣容を見れば、家庭用電力小売りに乗り出すのは明らか。「ソフトバンクの本気度が試される」と幹部は話す。