『社会貢献』を買う人たち
【第15回】 2010年3月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
竹井善昭 [ソーシャル・ビジネス・プランナー/株式会社ソーシャルプランニング代表]

NPOの人材不足は電通が救う? 社会貢献に触手を伸ばす、広告マンたちのホンネ

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 ここ数年、社会貢献に関するセミナー、シンポジウム、勉強会、飲み会などのイベントが異常に増えている。刺激的なテーマが多いし、社会貢献のキーマンにまとめて会えるのでなるべく参加しているのだが、去年あたりから、ある“変化”に気づいた。冗談半分、本気半分でよく言ってるのだが、

 「2~3年前までは、社会貢献系のイベントに行っても、どこにも電通はいなかった。いまはどこに行っても電通がいる」

 もちろん、ここでいう「電通」とは「大手広告代理店」の象徴として使っているのだが、昨年くらいから本当に広告マンの参加が増えていると感じる。

「ブーム」は
本当に罪なのか?

 広告代理店というのはトレンド商売だから、広告マンが押し寄せているということは、そこが次なるトレンドの場所だということだ。このような状況に対して、社会セクターの側からは批判的な意見も聞こえてくる。

 「広告代理店の人間は社会貢献をブームにしようと企んでいる。しかし、ブームは必ず終わるのだから、社会貢献がブーム化すると、ブームの終焉とともに社会貢献も終わってしまう。だから、社会貢献はブームになって欲しくない」。

 このような意見に対しては、筆者はいつもこう答えている。

 「いまではインターネットがブームだと、誰も言わないでしょう?」

 90年代半ば、インターネットは大ブームだったが、ブームが終焉した後も普及は拡大し、社会的インフラとして定着した今では誰もインターネットがブームだとは言わない。テレビや冷蔵庫だって、昔はたいへんなブームを巻き起こしたが、本当に普及した頃には、誰もブームとは呼ばなくなった。

 ブームとはそういうものだし、本当に人々が必要としているモノは、ブームが終わっても生き残る。以前にも書いたが、ブームとはモノゴトが普及していくときの「加速度」でしかないからだ。むしろ、加速がつかなければ多くの人々の関心をよばないし、モノゴトは普及しない。

 だから、社会貢献にもブームが必要だし、それを仕掛けてくれる広告マンの参入は必要なのだが、実は、広告代理店が社会セクターに進出してくる意味はそれだけではない。もっと本質的な意味がある。

社会セクターに求められる
広告代理店的なノウハウ

 実は、NPOやNGOの活動というのは、広告代理店のビジネスと非常に似ている。特に、企業とNGOの連携の時代と言われている今は、ますます広告代理店的なビジネスのノウハウが社会セクターにも求められている。

 生活者の志向性を嗅ぎ取り、企業のニーズを把握し、その上でさまざまなプロジェクトを提案できる企画力がこれからのNGOには必要だ。メディアを活用する力も求められる。これはまさに、広告ビジネスそのものだ。企業とNGOの連携では最も典型的なコーズ・マーケティングからして、その名の通りマーケティングそのものなのだから、社会セクターは大いに広告代理店に学んだ方がよい。

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竹井善昭 [ソーシャル・ビジネス・プランナー/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・プランナーとして女子大生、カフェ・バー、カラオケ、インターネット、韓国ドラマなど、その時代の流行に乗っかるような仕事ばかりしてきた。そろそろ社会のために役立つ仕事をしたいと考え始めた頃に、社会貢献ブームがやってきた。今は、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして、社会と企業とNGOの発展のために仕事をしている。史上最大の教育インフラ提供NGO「ルーム・トゥ・リード」ビジネスディベロップメント委員会共同リーダー。

株式会社ソーシャルプランニング
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☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


『社会貢献』を買う人たち

「自分のための消費」から、「社会と繋がるための消費」へ――。こうした新しい消費のカタチがいま、日本のマーケットを大きく変えようとしている。当連載では、この「ソーシャル消費」の最前線を、毎回具体的な事例とともに徹底リポートする。

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