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40代からの人生の折り返し方 野田稔

40代からのキャリアチェンジで失敗しない方法

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第7回】 2015年5月11日
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 今後のキャリアを考えるに当たって、前回は2つの質問から自分の現状を知る方法を紹介した。この質問への答えによって、「順風満帆の“キャリアの達人”」「前向きだけれど悩みがある“もやもや君”」「望みがかなわず沈滞している“世捨て人”」「悟ったのか、諦めたのか“現状肯定派”」の4つに分けられるが、ご自分が分類されたパターンを思い出していただきたい。

 もし“もやもや君”に分類されるのであれば、自分のもやもやを分析するところから始めようと記した。不満と不安の内容を明らかにし、進むべき道を見つけることに着手した方がいいからだ。

 また、その結果生まれた夢や希望が、本当はどのようなものなのか、深く考えよう、とも言った。たとえば「飲食店チェーンを開発し、経営したい」と考えたが、よくよく考えてみたら大好きな“食”に関わることなら何でもよい、と言うことなのかもしれない。だとしたら飲食店の経営にこだわる必要はなく、キャリアの選択肢はぐっと増え、それだけ実現可能性は高まる。

会社を辞めてから
キャリア探しをしてはいけない

キャリアチェンジを思い立った時、あなたはすぐに会社を辞めようとしていませんか?
Photo:yuuuu-Fotolia.com

 さて、実際に次のキャリアに向けての第一歩の踏み出し方だが、結論から言うと、会社に勤めている人は、「すぐに辞めない」ということをまず肝に銘じていただきたい。

 なぜか多くの方が、まず会社を辞めることから次のキャリア探しを開始する。確かに、今いる会社を辞めるとかなり清々するものだ。だが、その「辞めた時の清涼感」というご褒美はもう少し先に取っておこう。

 まず検討すべきは、会社との関係性を変えることにより、自分の夢を実現させることはできないか、ということだ。多くの場合、今の会社と自分の関係性は、会社側から構築されたものだろう。辞令の形でポストが与えられ、上司から具体的な仕事を指示される。すべて、会社側から用意されたものだ。この関係性を変えることを試みてほしい。

 会社との関係性を変えるとは、「会社に対して何らかの事業やサービス、システムなどを自ら提案して、その主体者としてやらせてもらう」ということ。一番わかりやすい形は社内ベンチャーだろう。社内の新しい組織を任かされる、あるいはスピンオフすることで、新たな事業を創造する。わかりやすい形だ。

 ただ、それだけが提案ではない。これは少し前の事例なのだが、営業として優秀な成績を挙げている人がいた。しかし、実は自分自身では、自分が営業に向いているとはどうしても思えなかった。だから、営業以外の仕事をしてみたいと思った。

 しかし、いきなり会社に「営業以外の、何か自分に向いている仕事をください」などと言うのはいくらなんでも無責任だし、わがままにすぎないとも思った。そこで、何が自分に向いているか、また今後の世の中でどんな機能が重要性を増すか、さらに、自社にとって今後どんな機能が必要になり、かつ、その担い手は社内に見当たるのかどうかを考えた。

 当時の彼の答えは、知的財産分野の機能強化だった。そこで必要な勉強をして、資格を取り、その上で会社に提案をして見事、知的財産の担当者となった。これからは国際特許戦略が重要になる。社内にその担い手はいない。多分、早晩、外から人を雇うことになるだろう。それなら自分が先に手を挙げようと考えたわけだ。

 これは、とても賢いやり方だと言っていい。不満を不満のまま終わらせるのではなく、自分で不満を解決する方法を考えだし、着実に実行し、そのポストを勝ち取ったのだ。

 私の周囲には、人事研修キャリア系への転身を求める人も少なくない。多くはキャリアカウンセラーなどの資格を取得したり、外部の人事系講座を受講したりする。それでたとえば自社の人事系コンサルタントなどと知り合いになり、彼らから推挙してもらうという方法もある。

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野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


40代からの人生の折り返し方 野田稔

40代は時計で言えば、ちょうど昼の12時を回った人生の午前中が終わったばかりだ。人生折り返し、1日に例えれば、午後をいかに過ごすか。黄昏が訪れる前に上手に人生を折り返す方法をこの連載では考える。

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