公的年金が日本の株高を演出している
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人:Government Pension Investment Fund)は、財務省ではなく、厚生労働省所管の独立行政法人で、我々の大切な公的年金のうち、厚生年金と国民年金の運用を行っています。運用資産としては約130兆円を持ち、世界最大の機関投資家といわれています。下の表は、GPIFの運用の内訳です。
それぞれの運用には、上下変動率というバッファーも設定されていて、国内債券が8%から10%、国内株式6%から9%、外国債券5%から4%、外国株式5%から8%に変更されました。
あくまでも可能性の話ですが、国内株式で見た場合、25%+9%=34%ということで、“最高”34%保有することができます。単純に変更幅に上乗せすると13%+9%=22%で、これから22%の国内株式を購入することができます。金額にすると追加購入額は“最高”約35兆円となります。
最近、公務員が加盟する3つの共済年金もGPIFと運用比率をそろえました。共済年金の運用総額は約60兆円で、GPIFと合計で約190兆円です。実質的には、GIPFと同じ運用をするとみられ、これも可能性の議論ですが、日本株式の比率を最高22%とすると約44兆円が購入される可能性があります。
時期のズレなどはありますが、東証の株式時価総額を約500兆円とすれば約9%の増加要因となり、本当に単純に計算すれば、約2万円の日経平均を約1800円上げることになる。もちろん、それは新しい流れのきっかけとも認識され、それを見越した投資家マネーを集めるでしょう。
流れという意味では、GPIFは海外株式も購入しており、海外株式の上昇要因ともなります。そうなると、海外株の上昇が日本株を連れ高で押し上げる経路もあり得ます。