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農業で成功する人 うまくいかない人
【第5回】 2015年5月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
澤浦彰治

農作物が売れて大金が振り込まれるのに
破綻してしまうのはなぜか?

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農業をしていると、サラリーマンでは手にすることのないような金額が口座に振り込まれることがある。しかし、ここでお金の使い方を間違えると、その後の経営に大きな悪影響を及ぼすことになる。成功している人はどのようにお金を使っているのか。

使いどころを間違えない
金銭感覚が大事

 成功している農業者は、手に入れたお金を自分の仕事に再投資し、仕事の生産性を上げています。しかし、うまくいかない人はそのお金を自分の欲望に使ってしまいます。

 「今までに振り込まれたことのないようなお金が通帳に入るから、金銭感覚がおかしくなるぞ。そのお金はいろいろな人から資材を買ったりしたお金だから、自分のものではないんだよ。まずは仕入れをした人に支払いをし、残ったお金は農業に必要なものを購入したり、不作のときの対策金として大切に使いなさい」

 最近、私は独立する人にこう注意をしています。

 サラリーマン感覚でいる人が農業を始めて、それまでの給料の10倍以上のお金が通帳に入ってくると、急に大きな気持ちになり無駄遣いをしてしまうことがあるからです。

 長く農業の研修をして、やっと独立し、がんばって育てた野菜がお金になるのですから、うれしい気持ちになるのはわかります。だからといって、長期的な計画なしにご褒美と称し、最初から自分の趣味にお金を使ったり無駄遣いをしては、資材や肥料の代金も支払えなくなってしまいます。

 さらに経営上もっと深刻なことが起こります。

 無駄遣いしたことで生じるマイナスを埋めている間、生産の効率化を図るための機械投資ができなくなるのです。効率化は進まず、規模を大きくすることも、労働生産性を上げることもできないわけです。そうなると、周り(仕入れ業者、金融機関、販売先、地主など)からの信用は失われます。

 本当に恐ろしいのは、この点です。経営の立て直しにはとても長い時間がかかります。

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    澤浦彰治 

    1964年、農家の長男として生まれる。利根農林高等学校を卒業後、群馬県畜産試験場の研修を経て、家業の農業・養豚に従事。コンニャク市場の暴落によって破産状態に直面するなかでコンニャクの製品加工を始める。1992年、3人の仲間と有機農業者グループ「野菜くらぶ」を立ち上げ、有機野菜の生産を本格的に開始。1994年、家業だった農業経営を農業法人化しグリンリーフ有限会社とする。第47回農林水産祭において蚕糸・地域特産部門で天皇杯を受賞。群馬中小企業家同友会代表理事、日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事、沼田FM放送取締役、マルタ取締役。著書に『小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール』(ダイヤモンド社)がある。


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