ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise

熊谷組施工マンション、
外壁タイル剥がれ問題の深刻

これでも「経年劣化」なのか?

週刊ダイヤモンド編集部
2015年5月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

マンションの外壁タイルが剥がれ、浮き上がる──。高層階から落下すれば、歩行者の大けがにつながるなど危険が大きい。ところが、施工者のゼネコンは「経年劣化」を主張するケースが多く、原因は闇に葬られがち。あなたのマンションは大丈夫だろうか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

(1)足場を組んで応急措置がされた問題のマンション(2)東側の外壁タイルが横一列浮き出している(3)熊谷組自身による調査記録に、施工不良の“証拠”が(4)タイルの裏側の溝にモルタルが入り込んでいない。モルタルが薄過ぎたか、張り付け時の圧力が不十分だったようだ
Photo by Satoru Okada
拡大画像表示

 「何やあれは。ストップ! ストップ!」。大阪市平野区に12階建て賃貸マンション「サニークレスト平野西脇」(写真(1))を所有する不動産会社・SKYリアルエステート社の松本勝秀社長は思わず叫んだ。

 というのも、2012年3月に同マンションの壁面への自社広告の張り付け作業のさなか、東側の10階付近のタイル壁が横一列にわたり、外側に向かって「く」の字形に浮き出しているのが見つかったからだ(写真(2))。

 驚いた松本社長はすぐに、マンションの施工者である準大手ゼネコンの熊谷組に連絡。駆け付けた担当者は開口一番「あー、これは経年劣化ですね」と述べたという。

 その翌月、熊谷組関西支店は、目視調査の結果として、西側のタイル壁2カ所に、横に2.5~3メートル、幅は25センチメートルの横一列の「浮き」があり、直射日光による温度変化や、タイルの目地のひび割れなど経年劣化が原因とみられるとの見解を松本社長に報告した。

 だが、最初に見つかった東側の浮きは「調査の際に見て見ぬふりをしているようだった」(松本社長)という。そのため、この調査結果に不審を抱いた松本社長は、さらに詳しい調査を要請した。

 そこで熊谷組は同年9月に西側に足場を組んで打診検査を実施したところ、2、4、12階部分に浮きが多くあり、異常がある部分は西側の壁に張ったタイル全体の13.81%に上るとの調査結果をまとめた。この12年9月28日付報告書では「何らかの施工上の不具合(ヒューマンエラー)があった可能性は否定できません」との記述と共に、浮きの多い2、4、12階は自社負担で補修する意向を熊谷組は伝えている。

 一方で、それ以外のタイルの浮きなどの異常は全て「経年劣化によるものと判断」(報告書)した。東側も同様に横一列の浮きが生じ、また、ベランダがある南側にも同様にタイルの浮きが存在するにもかかわらず、である。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧