出産したら戦力外になる会社、ならない会社の違い子連れ出社した社員と子どもたち。現在では、女性従業員41名のうち、18人がワーキングマザーです

 女性が、安心して結婚も出産もできて、活躍できる会社を作りたい!

 これは、私がこの会社を始める10年前に考えていたことです。それが今では現実になりました。

 現在、私たちの会社の女性従業員の出産率は、なんと41%。女性従業員41名のうち18人がワーキングマザーです(ちなみに男性社員は2人だけです)。そのうち、4名は育児休暇中。そして、その他に妊婦が3人という出産ラッシュの真っ只中なんです。

 うちの会社にいると少子化って何のこと?という感じで、いつも誰かが妊娠して、誰かが出産しています。おとといも社員が出産しました。こう考えると、復職に不安がないと、女性は安心して何人でも産めるんだと実感します。

 先日、あるセミナーで男性の社長数人と話をしました。すると、「これからは女性の時代ですよ。わが社の新卒採用は半分以上が女性です」「うちのトップ営業は女性です」など、女性の活躍や活用について話していました。この話を聞いて私は、複雑な気持ちになりました。

「女性活用」と言って優秀な女性を採用するのはいいけれど、その優秀な女性が出産してワーキングマザーになっても活躍できる場所はあるの?と思ってしまったからです。

 女性は結婚や出産で働き方が変わります。もし、本気で女性活用と言うのであれば、長時間労働をしない職場環境作りに取り組んでほしいと思います。

 その環境がまるでできていないのに、優秀な女性をどんどん採用している会社をみると、「きっとこの会社では、どんなに優秀な女性でも、出産したら活躍する場はないだろうな」と思ってしまいます。女性を使い捨てにしているように見えるのです。

社員は“使い捨て”だった代理店時代
35歳で「このままじゃ全員辞める」と気づく

 実は、昔の私がそうでした。私は、社員を使い捨てにしていたんです。

 と言うのも、以前の私の仕事は広告代理店の取締役営業部長。会社を成長させるために必死で夜中まで働いていました。