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「引きこもり」するオトナたち

地方の対人恐怖者がイベントを主催するまでの葛藤

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第239回】 2015年5月21日
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対人恐怖から引きこもっていた当事者が約60人を集めて、キャンプファイヤーなどのイベントを開くまでとは?
※写真はイメージです

 支援団体や家族がつくった枠組みではなく、当事者たちの自らの手作りによる「ひきこもり大学in山梨 対人恐怖学科」が、5月5日から1泊2日かけて、山梨県甲府市で開催された。

 その内容も、1限目は「対人恐怖」の当事者・経験者3人による授業、2限目はセッション方式の「グループトーク・フリースペース」、3限目は「キャンプファイアー・交流会」と、盛りだくさんなメニュー。対人恐怖を抱える当事者たちが、セッションやキャンプファイアーを企画すること自体、驚いた。

 会場も、甲府駅から歩くと30~40分の山道を登った「山梨県立愛宕山自然の家」という山の中腹にある場所だった。緊張するので、あまり人数を増やしたくないという主催者側の意向もあり、地元紙などでの告知も求めなかったという。にもかかわらず、当日は口コミなどで当事者を中心に約60人が参加した。

 とくに2限目の対話の時間では、東京で2ヵ月に1回行われている「フューチャーセッション[庵IORI]」方式を真似てテーブルごとにテーマを決め、庵に縁のある当事者らがファシリテーターを務めた。そして、当事者の家族や外部の一般参加者も巻き込んで、かなり本質的なやりとりができていたように思う。

 「これだけ多くの当事者が一堂に会したことに驚いた。自分たちの手作り感も良かった」

 などと、参加した当事者たちからも概ね評判が良かったようだ。

東京に住んで初めてわかった
地方の当事者の苦しみ

 こうした当事者のコミュニティ活動の場を地域で自らつくりだすきっかけになったのは、山梨県内で引きこもってきて、その後、都内で仕事に就くことができた30歳代後半の男性Kさん。対人恐怖を抱えた当事者が、どのようにしてセッションとキャンプファイアーを開催するまでになったのか。

 「山梨っていう土地柄を考えたときに、庵のような居場所が必要だと思ったんです。6年連続で10万人に占める自殺者の割合が第1位という背景もあるように、東京で生活するようになって、地方の当事者の苦しさが、より鮮明にわかったんです」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


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「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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