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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

メガバンクへの要請「融資能力の30倍」説も
日銀のCP買い取りは急務だ

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第57回】 2008年12月19日
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 日銀は、昨18日から2日間の日程で開催している金融政策決定会合で、どこまで踏み込んだ追加の金融緩和策を決断できるのだろうか。日本経済が2年連続してマイナス成長に落ち込むことが避けられないとの見通しが強まっている時期だけに、多くの民間エコノミストが、(1)利下げ幅が何パーセントになるのか、(2)社債・CP(コマーシャルペーパー)の引き受けを柱とした流動性の供給策が導入されるか否か、――の2つのテーマを巡って、予測を的中させようと凌ぎを削っている。

 加えて、金融政策決定会合の開催が迫っていた16日(米東部時間)に、米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、米国として初めてのゼロ金利政策と量的な緩和策の採用を決定。これが円高・デフレ対策の重要性を高め、日銀に対し本格的な金融緩和を迫る圧力になっている。

 だが、経済の現場を取材していくと、2つのテーマのうち、たいした下げ余地のない利下げより、流動性の供給強化策の方が遥かに重要という実情が浮かび上がってきた。

資金難は中小企業だけの
問題ではなくなっている

 その理由は、簡単だ。誰も声高には言いたがらないが、実は、名だたる日本の大企業がそろって資金繰り難に直面しているのだ。背景には、世界中で景気後退が進み、モノが売れず各社の手元に入る日銭が細る一方で、金融・資本市場の信用収縮が深刻化しており、運転資金がなかなか調達できないという事情が存在する。資金繰り難は、もはや、中小企業だけの問題ではなくなっている。

 日本企業は今、最後の砦とみなす邦銀、特にメガバンクに融資を求めて殺到している。驚くべきことに、その融資希望額は合計で、「肌感覚だが、メガバンク各行の融資能力の30倍前後に達している」(金融当局関係者)という推計も聞かれるほどだ。

 日本企業は、この年末や年度末を無事に乗り切れるのかどうか。その鍵を握る日銀の金融緩和策に熱い期待が集まっている。

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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