【図表1】は、日米を代表するいくつかの企業を取り上げ、時価総額や利益などを比較したものである。

 まず、従業員数によって企業の規模を見ると、ここで取り上げたアメリカの企業は、従業員数は数万人のオーダーである。つまり、大企業であるとはいっても、規模は比較的小さい。

 それに対してここで取り上げた日本の製造業の企業は、スズキを除けばいずれも連結従業員数が10万人を超える巨大企業だ。トヨタ自動車や日立製作所の従業員数は30万人を超えており、アップルの10倍程度の規模になっている。

 それにもかかわらず、時価総額を見ると、アメリカの企業のほうが大きくなっている。グーグル、アップル、IBMの時価総額は、現在の為替レート(90円)で換算すれば16兆円を超える額になっている。日本で最大の時価総額は、トヨタ自動車の11.8兆円であるから、グーグル、アップル、IBM、さらにシスコは、日本のいかなる企業よりも時価総額がかなり大きくなっているわけだ。

 2005年当時のデータを見ると、トヨタ自動車の時価総額はグーグルの2.3倍あり、日立製作所の時価総額はグーグルの約3分の1であった。その後、グーグルの時価総額は増大し、トヨタや日立の時価総額は減少した。つまり、経済危機を経て、格差が開いたわけだ。

 ところで、上で見たように、日本企業の従業員数は多い。したがって、従業員1人当たりの時価総額で見ると、日本企業とアメリカの企業の間にさらに大きな差が生じてしまう。

 ここで取り上げたアメリカの企業は、1人当たりの時価総額がすべて1億円を超えている。グーグルは8億円を超える。それに対して日本の企業は、いずれも数千万円のオーダーだ。日立製作所は400万円でしかない。アメリカ企業の値は日本企業の10倍を超える。グーグルと日立を比較すると、実に200倍以上の違いがある。金融機関で比較しても、ゴールドマン・サックスの1人当たりの時価総額は、三菱UFJフィナンシャル・グループの約3倍になっている。

 時価総額でこのような差が生じてしまうのは、アメリカ企業の利益率が高く、日本企業の利益率が低いからである。