
社の命運を握るビジネスを成功に導くためにも、コストを抑え、なるべく効率よく最大の結果を得たいもの。世界的にも労働生産性が高いことで知られるデンマーク人に学ぶ、ビジネスを最短ルートで加速させるための“型破り”なメソッドを解説する。※本稿は、針貝有佳『デンマーク人はなぜ会議より3分の雑談を大切にするのか』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「それ、本当に必要?」
課題設定を疑う勇気を
何かに取り組むとき、最初に確認すべきことがある。
「それは本当にすべきことなのか?」ということだ。
ブロックスハブ(編集部注/コペンハーゲンにある最先端のシェアオフィス)のヤコブは会員企業の相談によく乗る。相談に乗っていて気がつくのは、そもそも課題設定の仕方が間違っているケースが多々あるということだ。
企業からでも個人からでも「○○をしたいのですが、どうしたら良いでしょうか?」という相談を受けたとき、まず問うのは「あなたがしたいことは、本当に○○なのでしょうか?」ということである。ヤコブの説明はこうだ。
「僕の任務の1つは、相談者が『本当は何を求めているのか』を理解しようとすること。『本人がやりたいと言ってること』と『本人が本当に求めてること』は違っているかもしれないからね」
たとえば、新製品を開発したいという企業があったとする。だが、ヤコブが相談に乗っているうちに、その企業が本当にやりたいことは、新製品の開発ではなく、会社全体のビジネスモデルの見直しであったと発覚することもある。