あのトヨタが発行する特殊な株式
投資家はおそらく「買い」と判断

トヨタが打ち出した「AA型種類株式」は買い得か業務面でも財務面でも着々と布石を打つトヨタ。写真はマツダとの業務提携発表席上での豊田章男社長 Photo:TOYOTA

 日本最大の時価総額を誇り、業績も最高益を更新中のトヨタ自動車が、「AA型種類株式」と称する、やや特殊な株式を発行して資金調達を行う。

 詳しくは、トヨタ自動車のホームページで「AA型種類株式に関するご説明資料」と題する一般投資家向けの説明資料を読んでほしいが、条件の概要は以下のようなものだ。

(1)発行価格は発行価格決定日の普通株式の株価の120%以上。
(2)配当は初年度から発行価格に対して年率0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、と上昇し、5年度目以降は2.5%。
(3)議決権付き。
(4)普通株式への1:1の転換権付き。
(5)発行価格での取得を会社に請求できる。
(6)残余財産の分配においては、一般債権者に劣後し、普通株主に優先する。
(7)譲渡に制限あり(相続とTOBへの応募を除く)。
(8)初回5000万株、3回目まで発行を予定(合計で総発行株数の5%未満)。

 さて、読者は、トヨタの「AA型種類株式」を魅力的な投資対象だと思われるだろうか。

 冒頭から引っかけ質問のようで恐縮だが、これは発行価格に大きく依存する。例えば、トヨタの普通株の株価が8000円のとき、一株当たり9600円でAA型種類株を買えるなら、これはかなり魅力的な投資対象だろう。しかし、一株3万円だと買うのを躊躇するだろう(注;共に現時点の筆者の個人的な意見です)。