世の中にはびこる「めんどい人々」を分析し、解決策を探っていく当連載。今回は、ある「めんどい状況」について考えていきたい。それは、男女の「おごり、おごられ」問題についてだ。
男女の「おごり、おごられ」については、度々ネットで議論になり、その都度、大きな盛り上がりをみせている。筆者も「おごり、おごられ」について、何度も記事にしてきた。
結果から言うと、多くの女性が「デートでは男性におごってもらいたい、もしくは多めにお金を出してほしい」と思っている。サンケイリビング新聞社のサイト「シティリビングWeb」などの調査でも、7割の女性が「男性にデート代を支払ってもらいたい」と考えていることが分かったそうだ。
一方、男性も「できれば、女性にデート代をおごりたい」と思っている人が多い。財布の状況や相手との関係性によって違ってくるとは思うが、「絶対に割り勘でなければ嫌だ」と意固地になっている男性は少ないはずである。
だから、記事にするまでもなく、初めから答えは出ているのだ。「可能な限り男性がおごり、難しい時は少し多めに払うか、割り勘にする」という平和な解答が簡単に導き出せそうである。
それなのに、なぜ「おごり、おごられ」の議論がこんなにも面倒くさくなるのか。
筆者が分析したところによると、「議論の非対称性」「社会的な承認欲求」「コミュニケーションの問題」という3つのキーワードに集約されることが分かった。
男性のカツラ代を負担してくれるのは誰か?
まず1つ目のキーワード「議論の非対称性」について。
女性が男性に「おごってほしい」と考える理由によくあるのが、「女性のほうが私生活にお金がかかっているから」というものだ。