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校條浩 IoT産業革命
【第5回】 2015年6月25日
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校條 浩 [ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

過熱化するIoTとスマートホーム

 IoTが過熱化してきた。新技術・新産業が普及・勃興する時に必ず通る“Hype”(過熱した人気)フェーズにさしかかっている。歩数計、血圧計、腕時計、環境モニター、セキュリティーカメラ、空調用サーモスタット、洗濯機から電球に至るまで、何でもネットにつながりつつある。

アメリカではIoT関連企業が
1000社以上誕生している

 アメリカのベンチャー企業の分析とデータを提供する「ベンチャー・スキャナー」によれば、今日の時点で認知されているIoTベンチャー企業の数は781社。まだ創業間もない企業などを加えれば1000社を優に超えるだろう。そのうち、約60%が直接ユーザーに関わるコンシューマー系IoTベンチャー企業と見られる。

 スマートフォンの世界的普及により、サービスの頭脳の部分がすでに消費者の掌の上にある。それに加えて、クラウドサービスの普及と相まって、低コストで機器がつながりサービスを提供することができるようになった。

 さらに、マイコンチップやセンサーなどの高度なコンピュータ部品が低コストで手に入るようになったこともIoT参入の障壁を下げる要因となっている。このような環境で、IoTの流行は起こるべくして起きたと言えるであろう。

 かつてのホームオートメーションのビジョンは、各社それぞれの機器と独自規格だけでつながれたものであった。他社の製品はつながらない、機器のコストが高い、サービスアプリケーションがない、という状況では普及の兆しすらないのは当然だった。

 状況は変わった。機器が簡単に低コストでつながるようになったため、ネットにつながる機器がこれから市場に溢れるようになる。さらに、「帰宅して玄関の鍵を開けたら自動的に電気やエアコンがつき、お風呂を沸かす」というようなかつて言われていたホームオートメーションのビジョンを実現するには、種々の機器が相互につながりデータを共有したり動作を連動したりする必要が出てくる。

IoT共通プラットフォームの必然

 このように異なるメーカーの機器が連動し、異なるサービス提供者同士のデータが相互利用されるために共通プラットフォームが必要になることは明らかだ。今まさにプラットフォームの天下取りの段階が来ており、ホームオートメーションが「スマートホーム」と名前を変えて立ち上がる時期に来ている。

 プラットフォームの進展には、ユーザー主導とサプライヤー主導の大きく2つの流れがある。ユーザー主導とは、まず機器を普及させてその標準をデファクト化させていく流れ。サプライヤー主導とは、通信やアプリケーテョンの共通基準や共通ツールをIoT分野に参入する企業に提供する流れである。

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校條 浩(めんじょう・ひろし)[ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー]

東京大学理学部卒、同修士課程修了。マサチューセッツ工科大学(MIT)工学修士。小西六写真工業(現コニカミノルタ)にて写真フィルムの開発に従事。その後MITマイクロシステムズ研究所、ボストン・コンサルティング・グループを経て、1991年にシリコンバレーに渡る。1994年よりマッケンナ・グループのパートナーに就任。2002年に「ネットサービス・ベンチャーズ」を創業し、シリコンバレーでのベンチャー投資・インキュベーションと日本企業への事業コンサルティングを進める。2012年より大阪市特別参与、2013年~14年に同特別顧問。シリコンバレーから大阪に出向く異色のアドバイザーとして活動。関西初の独立系グローバルベンチャーキャピタル「ハックベンチャーズ」を設立。スタンフォード大学STAJE顧問、Japan Society US-Japan Innovation Award委員会理事、Silicon Valley Japanese Entrepreneurs Networkボードメンバー。主な共著書に『ITの正体』『シリコンバレーの秘密』(インプレス)、『日本的経営を忘れた日本企業へ』『成長を創造する経営』、訳書に『リアルタイム』『スマート・カンパニー』(いずれもダイヤモンド社)など。日経産業新聞においてコラム「新風シリコンバレー」を連載中。


校條浩 IoT産業革命

今までの20年は、ソフトウェア、ネットワーク、インターネットを中心に新産業を創出したアメリカが一人勝ちであった。これからの20年は、IoTが新産業創出のキーワードとなる。本連載では、IoT という新たなイノベーションの潮流と、それによりもたらせる産業革命について、シリコンバレーの現場から報告する。

「校條浩 IoT産業革命」

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