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米国利上げでも円安・株高はこれ以上期待できない

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第383回】 2015年7月6日
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株価を押し上げたドル高・円安
だが為替動向は米国経済次第

円安はここまで株価を大きく押し上げてきたが…

 2013年4月、黒田総裁が異次元の金融緩和策の実行を宣言して以降、ドル高・円安と株価上昇のトレンドが続いてきた。

 同年4月2日、ドル円レートは1ドル=92円82銭、日経平均株価は1万2003円台だった。約2年3ヵ月の間に、ドル円は約33%円安が進み、日経平均株価は約70%上昇した。

 円安が進むことで、自動車を中心としたわが国の主力輸出企業の収益が大きく改善した。それに加えて、海外展開を進めた企業の収益も円安によってかさ上げされた。

 昨年年央以降は原油価格の低下の追い風もあり、株価は一段と堅調な展開になった。そうした為替と株式市場の動きを見ると、円安と株高には明確な相関関係があることが分かる。 

 その意味で、今後のわが国の企業業績を考える上で、為替市場の動向は重要なファクターであることは言を俟たない。

 一方、無視できない問題がある。それは、為替レートはわが国の事情だけで決まらないことだ。過去の為替市場の動向を振り返ると、米国の経済状況が為替市場の動向に大きな影響を与えてきた。

 米国の景気が良いときには米国金利が上昇しやすくなることもあり、ドル高・円安傾向になりやすい。一方、米国経済に陰りが見え始めると、どうしてもドル安・円高になりやすい傾向がある。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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