世の中の流行に自社製品を“乗せる”
単なる「ゼリー」がヒットする理由
豆や昆布など総菜で有名なフジッコが出すゼリー「フルーツセラピー」。その季節限定スペシャル商品サイト内で公開している“ゼリーがけ”レシピを見てみると、カットフルーツやヨーグルトにかけたり、さらにはゼリーがけのアイスティやシャンパンなど、ありそうでなかったレシピが並んでいる。
フジッコのゼリーは、常温でも保存できる商品とは違い、チルド商品。チルドだと高温で殺菌せずにすむため、果物の食感をそのまま保てるうえ、ゼリーもジュレのように柔らかくできる。なかにナタデココも入っており、独特の食感がウリだ。
冒頭のレシピたちは、アイスクリームの「サーティーワン」や、「スターバックス」「コージーコーナー」など有名飲食店でゼリーを使ったメニューが流行っていることから着想を得たという。
また、料理サイト「クックパッド」でも“ゼリー”を使ったレシピの検索結果は1万件以上。パンケーキやジェラート、さらにはサラダにもと、様々な用途で使われている。同社はこうした”ゼリーがけブーム”に乗った形だ。
戦略を立案するブランドマネージャーの紀井孝之氏が話す。「同時に(フジッコの本社がある)関西圏のスーパーを中心に店頭での試食販売も行い、『フルーツセラピー』の新たな食べ方を提案しました。これにより、市場の底上げを考えています」。
ゼリーは市場規模が毎年縮小する中、同社商品の売り上げは対前年比105%前後で推移。ヨーグルトも継続的に対前年比130~140%台の売り上げを記録している。