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China Report 中国は今

中国で注目浴びる「エコシティ」開発
単なる不動産投機との声も

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第43回】 2010年1月21日
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 中国の環境ビジネスに乗り出す上で、1つのキーワードになるのが「生態城」だ。中国語で「生態」はエコロジー、「城」は都市、すなわち「生態城」は「エコシティ」と訳され、省エネはもとより廃熱、廃水、二酸化炭素の排出をできるだけ少なくした持続可能な都市開発を意味する。

 環境配慮型の都市づくりはすでに、イギリスやドイツ、NZでも先行するが、中国でも2000年代中頃以降、生態学と現代科学技術を駆使した好循環型都市を建設しようという機運が高まるようになった。

 中国のエコシティは言ってみれば住宅中心の開発に工業や商業、学校や行政施設がそれを取り巻くというイメージのもので、環境に配慮した都市作りを更地から開発するというところにその独自性がある。政府主導で進められるエコシティ開発は、最新技術を駆使し世界に先駆けたスタンダードを目指そうとするもので、省エネ・環境分野でも世界一をアピールしようとする大国の思惑が垣間見られる。

中国初の環境先進都市
天津エコシティへの期待

 中国では「環境技術と産業が前代未聞の商機をもたらす」と色めき立っていることは前回も延べたが、「カギとなるのはエコシティ建設」とも言われ、日本企業の中にも、これに食い込もうとする動きが出てきた。中国ビジネスを成功させるには、中国政府の政策そのものに乗ることが肝要という認識からでもある。とりわけ中新天津生態城(通称、天津エコシティ)が注目を集めている。

 現在、天津濱海新区内のTEDA(天津経済技術開発区、Tianjin Economic-Technological Development Area)の北側で開発が始まった天津エコシティは、投資規模は2500億元(3兆5000億円)、国務院レベルで進める中国最大規模の環境都市開発事業だ。開発面積は約30km2、港区の1.5倍の面積に相当し、2020年の完成時には35万人が居住するという。この省資源、資源循環の効率化をコンセプトとする先進的都市は中国初の試みでもある。

 この開発は拘束力ある22項目の目標とともに進められる。2020年までに再生可能エネルギーの利用率は20%以上、水資源リサイクルについては用水総量に占める非通常用水(再生水、海水淡水化)比率を50%以上にするほか、グリーン交通比率は90%、また、グリーン建築比率も100%を目標に環境負荷の低減を追求するという。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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